月を飲む夜の街に吹く風が僅かに酒で火照った体をゆっくりと冷やしていく。
救急隊で集まって行った新年を祝うパーティはなかなか楽しいものだった。宴もたけなわ、という所で入ったダウン通知に駆けだそうとしたけれど出られなかったのは私の膝を枕に寝てしまったももみさんがいたから。それ以前に酒が入っている以上救急車に乗ることはしないほうがいいと判断して飲んでいなかったシソジさんとマグナムさんが出ていったのを見送った。とりあえず、支払いは済ませてあったからそれぞれ帰れそうなタイミングで帰ってくれという隊長の言葉に、最初に治先輩とよつはさんが出て行って、病院に戻るというカテジとましろさん、それを送っていくと言ってついていった鳥野さんと医局長、隊長の事を迎えに来たあんずさんが、これからまだ別の集まりがあるというたえこ先輩を連れて行ってしまって、気がつけばももみさんと二人で残されていた。ももみさんも、少し前に冗談めかして飲ませてみたお酒に思いのほかはまってしまい、飲めばべろべろにはなってしまうが楽しんで飲んでいるように見えるので今のところ止めてはいない。
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