この小さな手を守れますように「私では実力に不足かね?」
ヒュンケルとクロコダインの説得で一時同行を承諾した男は、その存在で場にいる人々を威圧した。
この男か。我がリンガイアを壊滅に追い込んだのは。
怒りに先んじてバウスンの全身から震えと恐怖がこみ上げる。
動揺を抑え込む為に無理に深呼吸し、視線で我が子の様子をうかがう。
幸いにして先日のような跳ねっ返りはしないでくれるようだ。
故郷の敵だと理解しているだろうが、口にださないだけの分別を働かせているのに安堵する。
まあ声もでないというのが実際の所だろうが。
会議室にいるメンバーの中で魔法使いの少年は威圧を受けた途端腰が抜けたようだ。
ただ一人勇者ダイだけがレオナ王女による魔宮の門への同行に反論したが、彼女に外堀を埋められプィと横を向くことで不満を露わにする。
1928