ぬくもり「赤血操術が使えなくなった」
ひとしきり湧いて出てきた呪霊狩りもひと段落ついたというところだった。
ぱらぱらと雨が降り出したので少し落ち着ける所へ移動しようと声をかけようとした時に脹相が言った。
「それってこの天気だからとかじゃなくって?」
「ああ。最後倒した呪霊にかけられた術式のせいだろう。思うように体が動かない」
「それ大丈夫なのかよ」
脹相の元に駆け寄り、全身を観察する。先程まで戦っていた呪霊は低級が多く、戦闘において苦戦することは無かった。しかし、脹相が言っていたように最後に倒した呪霊。ソレは辿々しく言葉を使おうとした様子があり、その呪霊の言葉を聞く前に脹相が超新星で祓った。が、完全に消え去る前にその呪霊は術式を発動させたらしい。
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