★ちゅーしないと具合悪くなる話 週末。
学校がないので目覚まし時計で起きる必要がない。
いつもより夜更かしをして、いつもより朝少しゆっくり起きようと考えていた週末だった。のに。
「先生、ちょっと」
吐き気。
気道に何か詰まったような、息苦しさで咳き込み目が覚めた。
咳が治まると口の中に酸っぱい唾液と、泡のようなものがせりあがってきて口をぎゅっと閉じる。ここで出したら大変なことになる。ゆっくり飲み込んで。
戻すならトイレに行こうかとも思ったが、脱力してしまっていて起き上がれそうにない。
「いるか」
「んにゃ」
「具合悪い」
返事はなかった。
何時かはわからないが、まだ部屋は暗い。加えて体調不良もあるせいか、部屋を見渡しても視界がはっきりせず先生がどこにいるのか見えなかった。
2192