賑やかな笑い声が聞こえる。
心地良い微睡みの中、起きようとする意志とは反対に、瞼は硬く閉じている。
頭はふわふわと気持ちがいいけれど、身体は熱くて重たい。
あぁ、飲み過ぎたのかもしれない。楽しくて、つい羽目を外してしまった。
喉が渇いたな、と考えていると、頬にひんやりとしたものが触れた。
少し覚醒して薄く目を開けると、照明を背に蜂蜜色の瞳がこちらを見下ろしていた。
「フェイスくん、大丈夫? お水いる?」
落ち着いた声が耳に優しい。ウィルの冷えた指先が、火照った頬を優しく撫でる。
「顔赤いよ。珍しいね」
前髪を上げてひたりと手の平が額に当てられた。冷たくて気持ちがいい。
「手、つめたい」
「お皿洗ってたから。嫌?」
「ううん……冷たくて気持ちいい」
2766