残暑の一こまキラと最初に出会ったのは、まだ中学生の頃だった。
つまり、今なら「子供」と呼べる年齢にあったわけだが、当時は自分(達)なりに「大人」のつもりで生きていた。
ただ、当時の自分達は、通っていた学校がどうのと言うレベルを超えて、住んでいた場所(国?)や家族構成、人生観に至るまでの、つまり、ある意味年齢と性別以外のどこを擦り合わせれば互いに良いあんばいの落としどころが見付けられるのか、それが分からず時に口論に発展する程に「価値観」が異なっていた。
でも……
「ただいま」
「お帰りなさい」
世間の休日とは無関係な仕事だから、仕方のない事とは言え、この(世間で言う)連休にもキラは毎日、なんだかんだと仕事に出ていた。
「今日は早かったんだな?」
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