妖精事故事例「バニーちゃん見てくれッ! 旧文明時代から数多のコレクターの手を渡ってきたエラーコイン! 保存状態良好時価数千万ッ!」
「キャア〜ッ、おいしそう〜」
「どうぞ…ッ、俺の気持ち、食べてくれ…ッ!」
カジノのフロアに響き渡る、ふざけた妖精相手にふざけた客が繰り広げる頭のおかしい乱痴気騒ぎ。
そこにオレはズカズカズカと踏み込んでバカ客の襟首を掴んで妖精から引き剥がしながら叫ぶ。
「やめろッ!!!! 時価数千万の歴史的価値も高いような遺物を割れた皿との差も分からんアホに食わすな!!!!」
「もうカジノチップを食わせるなと言ったのはそっちの方だろう!」
クソバカ客が反論してくる。
このクソバカが入れ込んでいる見るからにふざけた妖精は硬貨だの皿だの人間が作った物品を食べるのが好きで、客がこの妖精にチップ代わりに硬貨やカジノチップを食べさせるのが流行ったのだ。あまりに食わせる奴が多いもんだからカジノチップを食わせるのは正式に禁止された。
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