燃える看板娘俺の幼なじみは今日も甲斐甲斐しく働いている。
「へーい!いらっしゃいいらっしゃい!今日はね~、旬のキャベツが入ってるよ!柔らかくて美味しいよぉ!」
「まゆりちゃんが言うなら間違いないわね、いただこうかしら」
「まいどあり~!オカリン、1つおねがい!」
俺は店の棚からキャベツを取り出して袋に入れ、まゆりに手渡す。
「まいどあり」
「ありがとオカリン、はいどうぞ!」
まゆりは流れるように常連のおばさまから代金を受け取り、商品とおつりを渡す。別のおばさまから大根を半分にしてほしい、と言われれば店に据え付けられている包丁を振るって一刀両断にする。
「はーい!いくよ〜!危ないから離れててね!」
ガンッ!
ザクッ!
キャベツだろうがかぼちゃだろうがパイナップルだろうが、いかなる青果もまゆりの前ではあっさりと客の注文通りに分割されていくのだ。まるで豆腐でも切っているかのように。
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