お前の隣 (…黒雪は、どこだろう――)
黒雪と一緒にいることが当たり前になりすぎてしまってから私は黒雪と離れただけで寂しく思い、黒雪の姿が見えないと探したり黒雪のことをずっと考えてしまう日々を過ごしてしまうようになってしまった。
(重症だなあ…)
そのことでよく伽羅に呆れられてしまう毎日。けれどこれは決して嫌なことじゃないのは事実で…
――と、月下丸と並んで歩く黒雪の姿を見つけ思わず駆け出してしまった。
「黒雪!」
「槐?おわっ…」
後ろから抱き着くと驚いたような黒雪の声が聞こえる。
「びっくりしたー…どうしたんだよ、突然」
「黒雪の姿を見つけたからつい。それに黒雪だって私の事気づいてたでしょ?」
「そりゃ勿論。お前のことオレが気づかないわけないでしょ」
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