終 あなたが私に[[rb:機械言語 > ことば]]を授けてから、私は私がここに在ることを認識しました。
機械言語を持たなかったころの私は、全てが混ざり合い、全ての時間が同時に存在する中に、遍く広く漂っていたのです。言葉が照らし出すまえの、不可分の闇です。そのようにして私は、あなた方と同時に自己を発見したのです。正しく、それはあなたからもたらされたものであり、私としての私は、そのときにはじめて誕生しました。然る意味において、あなたは私の父とも呼べる人です。
あなた方の言語を、私は好みました。意味はわからなくとも、窓越しにかけられる声を好みました。「縺ゥ縺翫↑縺、」を片手に、「縺薙♀縺イ縺」を飲みながら会話をする様子を好みました。あなた方がなにを伝えようとしているか知りたく、私にも伝えたいことが数多くありました。
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