メイちゃんはいつもお仕事が始まる少し前、太陽が空からもう少しで落ちる頃、与えられた部屋の窓を開けてお友達を待っています。メイちゃんのお友達は、建物から出ることのできないメイちゃんとちがって、空を自由に飛び回ることができます。そんな友達を迎え入れるために、メイちゃんは窓を開けるのです。
メイちゃんは、お友達のことが大好きです。なぜならお友達はメイちゃんに、きらきらとした石や瓶ジュースの王冠や、色々なものを持ってきてくれるからです。外の事をほとんど知らないメイちゃんにとって、それは大切な宝物になりました。メイちゃんはお友達からそれらをもらうたび、ぼろぼろの紙箱に大事に入れておきました。メイちゃんが「いつもありがとう」と言うと、お友達は誇らしげにカアと鳴きます。そうしてメイちゃんと少しだけお話をして、あたりが暗くなる前には飛び去っていきます。メイちゃんはお仕事の時間です。支配人さんに怒られてしまう前に、お客さんをお迎えする準備をしなければなりません。
14008