けいな
SPUR MEこれの続き。ファンタジーhttps://poipiku.com/3338694/6712621.html
「…………どうゆうことだ……?」
そっくりだがわかる。兄ではない。弟のほうだ。
…………忌々しい顔だ。茨はそう思った。
茨は十条兄弟の顔が嫌いだった。彼らに恨みは無い。だけれど親戚というだけで、己を認知すらしなかったクズのような先祖もきっとこんな顔立ちだったのかもしれないなどと、余計なヒントとなり愉快な気持ちにはなれなかった。
けれど今はそれどころじゃない。どうしてガラスの中の十条要は茨が瞬きをすれば瞬きをして、首を傾げればおんなじようにするのだろうか。
茨はパンッと己の頬をたたいた。夢を見ているのだと思ったのだ。しかし叩いた頬がじくじく痛むばかりで、一向に視界がクリアなまま、夢から醒める気配はない。
これはどうゆうことだろうか。……自分が十条要に乗り移ったというのであろうか。悪い薬でも飲んだのだろうか。あの魔法使いが違法スレスレの薬品でも作って己で実験でもしたのだろうか。
1349そっくりだがわかる。兄ではない。弟のほうだ。
…………忌々しい顔だ。茨はそう思った。
茨は十条兄弟の顔が嫌いだった。彼らに恨みは無い。だけれど親戚というだけで、己を認知すらしなかったクズのような先祖もきっとこんな顔立ちだったのかもしれないなどと、余計なヒントとなり愉快な気持ちにはなれなかった。
けれど今はそれどころじゃない。どうしてガラスの中の十条要は茨が瞬きをすれば瞬きをして、首を傾げればおんなじようにするのだろうか。
茨はパンッと己の頬をたたいた。夢を見ているのだと思ったのだ。しかし叩いた頬がじくじく痛むばかりで、一向に視界がクリアなまま、夢から醒める気配はない。
これはどうゆうことだろうか。……自分が十条要に乗り移ったというのであろうか。悪い薬でも飲んだのだろうか。あの魔法使いが違法スレスレの薬品でも作って己で実験でもしたのだろうか。
けいな
SPUR ME茨と要くん───ここ、どこだ。
七種茨の朝は早い。その日の仕事の内容にもよるが、朝の薄暗い時間にはいつも起きている。
それだというのに目をつむっていても感じる眩しさにまぶたを開けてみれば、外にはすっかりと太陽が昇っていた。
これはどういう了見かと慌てて起き上がれば、真っ白な部屋にいた。
真っ白な部屋には淡いピンクのカーテンを通して、太陽の光が柔らかく降り注いでいた。
そして己に掛けられている布団は見覚えのない真っ白な掛け布団。
…………おかしい。
一瞬、どこかで倒れて医務室にでも運ばれたかと思った。
けれど近頃そんな無茶をした記憶がない。SS直後ならともかく、ここ最近は比較的穏やかな日々を過ごしていた。
まあいい、あとでゆっくり考えよう。まずは現状のヒントが何かないかと見覚えのない室内を物色しようとパイプベットから足を降ろして、……よろけた。
1421七種茨の朝は早い。その日の仕事の内容にもよるが、朝の薄暗い時間にはいつも起きている。
それだというのに目をつむっていても感じる眩しさにまぶたを開けてみれば、外にはすっかりと太陽が昇っていた。
これはどういう了見かと慌てて起き上がれば、真っ白な部屋にいた。
真っ白な部屋には淡いピンクのカーテンを通して、太陽の光が柔らかく降り注いでいた。
そして己に掛けられている布団は見覚えのない真っ白な掛け布団。
…………おかしい。
一瞬、どこかで倒れて医務室にでも運ばれたかと思った。
けれど近頃そんな無茶をした記憶がない。SS直後ならともかく、ここ最近は比較的穏やかな日々を過ごしていた。
まあいい、あとでゆっくり考えよう。まずは現状のヒントが何かないかと見覚えのない室内を物色しようとパイプベットから足を降ろして、……よろけた。