steadfastm_f
DONE第13回ミ受けワンドロワンライで書いたものです。お題はずぶ濡れ、拘束、ぶるぶるローズでした。答え合わせは貴方の部屋で 晶は一人で夜の散歩をしていた。
散歩といっても、魔法舎から出るわけではなく、中庭を歩いて少し夜風に当たろうとしたのだ。近頃日中は日差しが強く暑くなってきたのだが、夜になると外気がひんやりとして肌寒い。昼日中忙しく任務に追われていると、夜半まで目が冴えて眠れないときがある。この日はまさにそんな夜だった。
「こんばんは、賢者様」
「ぅわっ……こんばんは、ミスラ」
不意に声を掛けられて晶はびくりと声の方へ振り返った。ぬう、と夜の闇から溶け出るように現れたミスラはずぶ濡れだった。
「ミスラ!? 大丈夫ですか、びしょびしょじゃないですか」
「ああ……風呂に入ったら暑かったので。水浴びしてました」
ポタポタと石畳に水滴を垂らしながらミスラは晶の方へ歩み寄った。
2290散歩といっても、魔法舎から出るわけではなく、中庭を歩いて少し夜風に当たろうとしたのだ。近頃日中は日差しが強く暑くなってきたのだが、夜になると外気がひんやりとして肌寒い。昼日中忙しく任務に追われていると、夜半まで目が冴えて眠れないときがある。この日はまさにそんな夜だった。
「こんばんは、賢者様」
「ぅわっ……こんばんは、ミスラ」
不意に声を掛けられて晶はびくりと声の方へ振り返った。ぬう、と夜の闇から溶け出るように現れたミスラはずぶ濡れだった。
「ミスラ!? 大丈夫ですか、びしょびしょじゃないですか」
「ああ……風呂に入ったら暑かったので。水浴びしてました」
ポタポタと石畳に水滴を垂らしながらミスラは晶の方へ歩み寄った。
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DONEミ受けワンライにて第九回お題「祝福」「匂い」で書きました。晶ミスです。転禍為福 「スノウ様、ホワイト様。どうか、この子に祝福をお与えください。今日で生まれて1年になります」
寒さに息を白くしながら、年若い村人が赤ん坊を抱いて双子へと話し掛けた。両親に抱かれた赤子は無垢な瞳をきょとりと向けて、大人しく美しい青年に抱き上げられる。
「愛らしいのう。名はなんという」
「アシュリーです」
「良い名だ。アシュリー、そなたが強く健やかであるよう祝福を与えよう」
ノスコムニア、と重なった声に温もりが宿り、赤ん坊を包んだ。ホワイトから我が子を受け取った両親は何度も礼を言って、村のいずこかへ帰って行った。
「スノウもホワイトも、村の方にとても頼りにされてますね。大人の姿だとより威厳を感じます」
「そうじゃろう、そうじゃろう。たまにはカッコよくて立派な我らも見たいかと思っての」
2564寒さに息を白くしながら、年若い村人が赤ん坊を抱いて双子へと話し掛けた。両親に抱かれた赤子は無垢な瞳をきょとりと向けて、大人しく美しい青年に抱き上げられる。
「愛らしいのう。名はなんという」
「アシュリーです」
「良い名だ。アシュリー、そなたが強く健やかであるよう祝福を与えよう」
ノスコムニア、と重なった声に温もりが宿り、赤ん坊を包んだ。ホワイトから我が子を受け取った両親は何度も礼を言って、村のいずこかへ帰って行った。
「スノウもホワイトも、村の方にとても頼りにされてますね。大人の姿だとより威厳を感じます」
「そうじゃろう、そうじゃろう。たまにはカッコよくて立派な我らも見たいかと思っての」