朱華🌱
DONE雨の日いちさに(さに♀いち)女審神者の個性が強めかもしれない
雨の日の話 昼間から降り出した雨は勢いを増し、ざあざあと地面を叩きつけている。雨脚が弱まる気配はまだない。そのため、粟田口部屋では、トランプ大会が開催されていた。
「雨、止みませんねぇ。せっかくみんなが揃っているのに……」
「まぁ、たまにはこんな日があってもいいんじゃねぇか」
「雨の音は、落ち着くので好きです」
「ボクも雨の音は好きだけど、湿気で髪がうねるのが嫌になっちゃう。鯰尾兄さんは?」
「俺は湿気とかあんまり気にならないからなぁ。いち兄は?」
「私?私は……雨の日は洗濯物がよく乾かないからね、それだけは困るかな」
雨の日自体は嫌いではないよ、と付け加える。嘘ではない。一期一振は雨の日が苦手だった。
「失礼します。一期一振殿、少しお時間よろしいですか」
1261「雨、止みませんねぇ。せっかくみんなが揃っているのに……」
「まぁ、たまにはこんな日があってもいいんじゃねぇか」
「雨の音は、落ち着くので好きです」
「ボクも雨の音は好きだけど、湿気で髪がうねるのが嫌になっちゃう。鯰尾兄さんは?」
「俺は湿気とかあんまり気にならないからなぁ。いち兄は?」
「私?私は……雨の日は洗濯物がよく乾かないからね、それだけは困るかな」
雨の日自体は嫌いではないよ、と付け加える。嘘ではない。一期一振は雨の日が苦手だった。
「失礼します。一期一振殿、少しお時間よろしいですか」
らのじ
DOODLEいちさに風味。感情のなまえ 姿勢が綺麗、体幹がしっかりしている。所作が丁寧で美しい。
いくつかは、他の男士にも共通していること。刀を扱うにあたって必要な素養とも言えるものは、この世によんだ時点で身についている。
たいへんうらやましい、というのはさておき。
私の想いびとたる刀--一期一振について考えるなら、そこになにを足せばいいのだろう。よく分からないままに落下した恋心に、これと気持ちを添えるのは難しい。
面立ちに関して言えば正直、誰が整っていると並べつらうのも目が痛い。柔和、温厚……ちょっと正しい。でも彼の刀の場合、それを意識して浮かべているような感じもする。
短くない付き合いで言えることといえば、実直だが四角四面ではなく、責任感が強い……だろうか。粟田口吉光、生涯の傑作と銘打たれた彼は、その顔役のような存在なのだ。たぶん。
3784いくつかは、他の男士にも共通していること。刀を扱うにあたって必要な素養とも言えるものは、この世によんだ時点で身についている。
たいへんうらやましい、というのはさておき。
私の想いびとたる刀--一期一振について考えるなら、そこになにを足せばいいのだろう。よく分からないままに落下した恋心に、これと気持ちを添えるのは難しい。
面立ちに関して言えば正直、誰が整っていると並べつらうのも目が痛い。柔和、温厚……ちょっと正しい。でも彼の刀の場合、それを意識して浮かべているような感じもする。
短くない付き合いで言えることといえば、実直だが四角四面ではなく、責任感が強い……だろうか。粟田口吉光、生涯の傑作と銘打たれた彼は、その顔役のような存在なのだ。たぶん。