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DONE兄弟二人でドライブに出かける話。ゲーム版イナGO設定です。静かな場所まで連れてって『明日一緒にドライブへ出かけませんか』
盆暮れ正月も碌に実家に顔を見せない双子の兄からメッセージが届いた夜更け頃。唐突な連絡に驚きつつも断る理由も無い為仕事終わりで良かったらと返事を送り職場近くにある駐車場の情報を送る。
(兄貴、車買ったんだ)
明日の支度を整えつつ一斗はぼんやりと思いを巡らせる。兄貴こと目金欠流は一斗にとって真逆の在り方で生きる嵐のような人物である。留まることを知らずただひたすらに前を見つめて歩み続ける、自身にとっての『楽しい』に貪欲な人である。学生だった頃はそんな兄貴に付いて行こうと必死にあがいていた時期もあったが、変化を恐れ立ち竦んでしまう一斗と常に楽しい事を追求し続ける兄貴とでは歩調が合う訳も無く、何時しか兄貴の背中を無理に追おうとせず遠くで眺める様になっていた。
4943盆暮れ正月も碌に実家に顔を見せない双子の兄からメッセージが届いた夜更け頃。唐突な連絡に驚きつつも断る理由も無い為仕事終わりで良かったらと返事を送り職場近くにある駐車場の情報を送る。
(兄貴、車買ったんだ)
明日の支度を整えつつ一斗はぼんやりと思いを巡らせる。兄貴こと目金欠流は一斗にとって真逆の在り方で生きる嵐のような人物である。留まることを知らずただひたすらに前を見つめて歩み続ける、自身にとっての『楽しい』に貪欲な人である。学生だった頃はそんな兄貴に付いて行こうと必死にあがいていた時期もあったが、変化を恐れ立ち竦んでしまう一斗と常に楽しい事を追求し続ける兄貴とでは歩調が合う訳も無く、何時しか兄貴の背中を無理に追おうとせず遠くで眺める様になっていた。
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DONE隠れオタクな弟とオープンオタクな兄の話。表現の都合上、少し古いオタク観が出てきますが『00後半〜10年代前半のオタク観にVカルチャーが現れた世界』だと思って読み進めて下さい。
隠れオタクとオープンオタクオタクとは。
愛好者を指す呼称であり、特定の分野に過度に熱中し詳しい知識を持っている者を指すサブカルチャーの分野で用いられてきた言葉である。昨今では寛容に受け入れられる事の多いオタクではあるが、多感な学生達の中にはオタク趣味をバカにする者も当然存在する。そして、そんな学生達に馬鹿にされることを恐れ己のオタク趣味をひた隠す者も当然存在するのだ。かく言う雷門中に通う目金一斗も漏れなくその『馬鹿にされることを恐れているオタク』であり、所謂隠れオタクという存在であった。
「なあ、第七人格ってソシャゲあるじゃん。あれ映画化するらしいぜ」
「え、そうなんですか?」
「あれストーリーとかあったっけ」
さして興味のない流行りのソシャゲや芸能人をきっかけにバズった音楽、新発売のスニーカーの情報にまでアンテナを伸ばしそれらの話でクラスメイト達と盛り上がる。そんな涙ぐましい努力を重ね、一斗は日々学生生活を謳歌していた。
13696愛好者を指す呼称であり、特定の分野に過度に熱中し詳しい知識を持っている者を指すサブカルチャーの分野で用いられてきた言葉である。昨今では寛容に受け入れられる事の多いオタクではあるが、多感な学生達の中にはオタク趣味をバカにする者も当然存在する。そして、そんな学生達に馬鹿にされることを恐れ己のオタク趣味をひた隠す者も当然存在するのだ。かく言う雷門中に通う目金一斗も漏れなくその『馬鹿にされることを恐れているオタク』であり、所謂隠れオタクという存在であった。
「なあ、第七人格ってソシャゲあるじゃん。あれ映画化するらしいぜ」
「え、そうなんですか?」
「あれストーリーとかあったっけ」
さして興味のない流行りのソシャゲや芸能人をきっかけにバズった音楽、新発売のスニーカーの情報にまでアンテナを伸ばしそれらの話でクラスメイト達と盛り上がる。そんな涙ぐましい努力を重ね、一斗は日々学生生活を謳歌していた。
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DONE2月末に書いたss。ゲーム版大人目金君が深夜に一人でコンビニに行くだけの話です深夜の夜空「うー、寒い!寒過ぎますよ……」
日はとうに落ち、月が空の天辺で淡い光を放つ深夜の稲妻商店街にて。目金は一人アジトから少し離れた位置にあるコンビニへと歩みを進めていた。
ゲーム制作の追い込み期間に突入したメガネハッカーズは連日アジトに泊まり込み作業をしているのだが、その間付き纏う問題の一つが食料の確保である。昨今急速に発展したデリバリーサービスも利用しているのだが、泊まり込み期間が長くなるにつれコンビニにしかない冷凍食品やカップ麺といったチープな食べ物も恋しくなってくるもので。そんな三人のコンビニ飯欲がピークに達したのが数分前で、こんな夜中に外に出たがる物好きは当然いない為買い出し担当を決めるジャンケンを行なったのだ。その結果、買い出し担当に選ばれたのが目金であった。
1254日はとうに落ち、月が空の天辺で淡い光を放つ深夜の稲妻商店街にて。目金は一人アジトから少し離れた位置にあるコンビニへと歩みを進めていた。
ゲーム制作の追い込み期間に突入したメガネハッカーズは連日アジトに泊まり込み作業をしているのだが、その間付き纏う問題の一つが食料の確保である。昨今急速に発展したデリバリーサービスも利用しているのだが、泊まり込み期間が長くなるにつれコンビニにしかない冷凍食品やカップ麺といったチープな食べ物も恋しくなってくるもので。そんな三人のコンビニ飯欲がピークに達したのが数分前で、こんな夜中に外に出たがる物好きは当然いない為買い出し担当を決めるジャンケンを行なったのだ。その結果、買い出し担当に選ばれたのが目金であった。
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DONEゲーム版GO時空。本編より少し前の話半田君が目金君の自分語りに付き合わされる話。CP要素なし
平凡な日々の一幕「えっ、俺がKFCの監督だって?」
「勿論。半田ちゃん以外にピッタシな人なんていないわよ」
桜の花びらが春風に舞い散るある土曜日の昼下がり。稲妻商店街の一角にあるカフェのテラスで半田真一は如月まこによって詰め寄られていた。如月まこは稲妻町の河川敷をホームに構えるサッカークラブ『稲妻KFC』のOGで現在はコーチとしてKFCに関わっている。KFCと半田の在籍していた雷門中サッカー部は長い付き合いに在り、部員が11人に満たなかった頃に円堂の練習に付き合ってくれていた他、雷門中サッカー部と練習試合を行ったこともあった。伝説のイナズマイレブンの一人が監督に就いていたとはいえ小学生が、それも男女混合チームの彼女達が自分たちの動きに食らいついていたのは今思い返すと中々信じられない話だと半田はしみじみと振り返る。
11125「勿論。半田ちゃん以外にピッタシな人なんていないわよ」
桜の花びらが春風に舞い散るある土曜日の昼下がり。稲妻商店街の一角にあるカフェのテラスで半田真一は如月まこによって詰め寄られていた。如月まこは稲妻町の河川敷をホームに構えるサッカークラブ『稲妻KFC』のOGで現在はコーチとしてKFCに関わっている。KFCと半田の在籍していた雷門中サッカー部は長い付き合いに在り、部員が11人に満たなかった頃に円堂の練習に付き合ってくれていた他、雷門中サッカー部と練習試合を行ったこともあった。伝説のイナズマイレブンの一人が監督に就いていたとはいえ小学生が、それも男女混合チームの彼女達が自分たちの動きに食らいついていたのは今思い返すと中々信じられない話だと半田はしみじみと振り返る。