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    #マイイカ

    夢斗(ゆりいか)

    DONE🦑/タイトルが決まらないけど書き上げてどっかに載せるまで寝られないフェーズに入っちゃったので投稿します!!!(やけくそ) ※23/07/31改題、加筆修正
    Irreversible バンカラ街に変わらず広がる澄んだ青空と照りつける日差しを、今日ばかりは恨めしく思いながらユズキは足を引きずるように帰宅した。
     思い返せば朝起きたときから何となく体全体が重いような感覚はあったのに、気のせいだろうとスルーしてバイトに向かったのが良くなかった。体調を崩すことが滅多にないので完全に油断していた。初めは問題なくクリアできたもののクマサンポイントが1200に到達する頃にははっきりと熱っぽさを感じ、クマサンに相談して昼前でバイトを引き上げることになた。
     街の空間を埋め尽くすように並ぶマンションの一画にユズキの部屋はある。愛用しているバンカラコロンを脱ぎ捨て、窓際にたたまれた布団を広げてすぐに飛び込む。狭いワンルームには、三年ほど続けているバイトの報酬ギアが詰め込まれたクローゼットの他は最低限のものしか置いていない。自炊はしないのでキッチンはきれいなままで、小さな冷蔵庫に入っているのは賞味期限の切れた調味料と飲み物くらいだ。
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    夢斗(ゆりいか)

    DONEスプラ3/マイイカとクマサンで七夕にかける願いの話。ヒーローモードのネタバレがあります
    星合の夢 窓からそそぐ太陽の光でユズキは自然に目を覚ました。朝と呼べる時間は終わろうとしていたが、窓を開けるとカラッとした心地よい空気が肌に触れる。バンカラジオの天気予報で三人が話していた通りのお出かけ日和だ。
     着替えて牛乳とシリアルで朝食を済ませる。いつもならばこのままクマサン商会に向かうのだが、今日はちょっと寄り道をすることにした。

     海を埋め立ててつくられたヤガラ市場には、海の向こうからやってきた様々な品物を売るテントが立ち並ぶ。果物や魚、衣類、雑貨から果ては何に使うのかよく分からない代物まで、雑多なそれを物色するのがユズキは好きだった。
     そのあとは桟橋で遠くに活気を聞きながらぼんやり海を眺めるのがお決まりのコースだ。いつもバイトで見る海は淀んでいるのに、ここはなぜか深い青を湛えていた。場所によって色が違ったりするものなのだろうか。海についてユズキが知っていることはほとんどないが、バイトをしていると誰もが頻繁にその名を聞くことになる。彼にはきっと思い入れのある特別な存在なんだろうと、ユズキはぼんやり考えていた。だからこそクマサンから海の話を聞いてみたいし、同時にそれが聞くのを躊躇ってしまう理由でもあった。
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