貝殻拾い日がだいぶ傾きもう少ししたらオレンジ色に世界が染まり直ぐに薄暗くなるだろう。
日差しや気温は温かな春を思わせても日が落ちれば一気に気温は下がる。
ザブンザァーザブザンザザァーと白波を立てて不規則に押し寄せる波もまだ冷たそうだ。
先程までチラホラいたサーファーもだいぶ減っている。
そんな夕方の砂浜を深紅の髪をポニーテールにしてご機嫌に揺らす彼女。ザッザッザッと動きやすいパンツスタイルで砂の歩きにくさも気にせず、砂で汚れることも気にせず、楽しそうに歩き、またにしゃがみ込んでは気に入る貝殻を探し物ている。
ゆっくりと近付いた私に笑顔で輝く貝殻を見せてくれた。
「カラム、これなんてどうかしら?」
「とても綺麗だな」
プライドが拾ったのはとても色鮮やかなピンクの貝殻だ。それを太陽に掲げると磨いてもいないのに宝石のようにキラキラと輝いた。
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