さんにんず、しょうぼうしょへいく!「ナハスあれなに?? あかくてでかくてかっこいー!」
それはいつもの散歩コースから外れたことにいち早く気付いたネルヴの一言だった。
お散歩コースから外れることは稀にあるため、またどこかに寄るんだろうと園児たちは特に不思議がることはなく大人しくカートに乗っていた。
とはいえどこに行くのかは気になるのか、乗っていた3人は全員外を興味深く覗いて際に最初に気付いたのが赤い髪が派手なネルヴだったというだけだ。
「先生と呼べと言っているだろう!! ったく、アレは消防車だ」
「ネルヴといっしょですね」
「いっしょ!」
リゼルに髪を撫でられながらそう言われて、ネルヴは嬉しそうにキラキラした瞳をそちらに向ける。
消防車と色がいっしょなことが嬉しいのか、リゼルに髪を撫でられたことが嬉しいのかは正直判断がつかないほどにネルヴはリゼルのことが気に入っている。おそらく両方ではあるのだろう。ネルヴの瞳は今消防車の方を向きながらぴょんぴょんと飛び跳ねている。
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