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    reveyana

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    reveyana

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    読み終わってないのに耐えられなくなってきたのでアニメともなんとも言えない時空でトラブルに巻き込まれる花怜が見たい

    テスト投稿「ぼくらを生贄にしたいんだってさ」
    ね、にいさんどうする。場違いな程弾んだ三郎の声に、思わず釣られて笑い掛けそうになった謝憐は慌てて口を引き結んだ。私たち、結構危険な状況だと思うのだけれど。もちろん、それは人間の場合、ではあった。今はがらくたの神とはいえ、武神であった謝憐には、多少の"荒事"への心得がある。だが三郎はどうだろう。この美しい家出少年は、いろいろな物事に精通していて、出来ないことはないように思われるが、まだほんの子どもなのだ。
    「にいさん、困ったね」
    どんな時でも三郎は愉快そうだ。強がっているのかもしれない━━と謝憐は密かに考えたが、そんなこともなさそうだった。物珍しそうに、粗末に板が打ち付けられただけの荷台に、また乱雑に置かれた獣の用の檻(これもまたひどい荒れようだった! あちこち錆び付いていたし、謝憐が3、4回も蹴りつければきっと悲惨なことになってしまうだろう!)越しに、道を眺めている。少なくとも、他の者が見れば、三郎はガタガタ荒っぽく山道で揺れる檻の中で、気ままで優雅に座っているように見えただろう。しかし、その姿は、殆ど争わなかったとはいえ、結ばれた艶のある黒髪は僅かに解け掛かり、長い脚は些か窮屈そうに折り畳まれ、後ろ手に縛られているのだ。白い肌に食い込む毛羽だった縄を見るだけで、謝憐は妙に耐えがたい心地になった。
    三郎の幸運を持ってしても、謝憐のカビ運はどうやら最悪を引き当ててしまうらしい。三郎曰く「でもにいさんもぼくも怪我をしてないんだし、とても運が良かったよ」なのだそうだが。
    「にいさん、大丈夫だよ」三郎は小さく笑って続けた。「あの人たち、まだお喋りに夢中みたいだし…お酒も飲んでるみたいだ。ぼくらがなにをしても、きっと気付かないよ」
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    reveyana

    MOURNING読み終わってないのに耐えられなくなってきたのでアニメともなんとも言えない時空でトラブルに巻き込まれる花怜が見たい
    テスト投稿「ぼくらを生贄にしたいんだってさ」
    ね、にいさんどうする。場違いな程弾んだ三郎の声に、思わず釣られて笑い掛けそうになった謝憐は慌てて口を引き結んだ。私たち、結構危険な状況だと思うのだけれど。もちろん、それは人間の場合、ではあった。今はがらくたの神とはいえ、武神であった謝憐には、多少の"荒事"への心得がある。だが三郎はどうだろう。この美しい家出少年は、いろいろな物事に精通していて、出来ないことはないように思われるが、まだほんの子どもなのだ。
    「にいさん、困ったね」
    どんな時でも三郎は愉快そうだ。強がっているのかもしれない━━と謝憐は密かに考えたが、そんなこともなさそうだった。物珍しそうに、粗末に板が打ち付けられただけの荷台に、また乱雑に置かれた獣の用の檻(これもまたひどい荒れようだった! あちこち錆び付いていたし、謝憐が3、4回も蹴りつければきっと悲惨なことになってしまうだろう!)越しに、道を眺めている。少なくとも、他の者が見れば、三郎はガタガタ荒っぽく山道で揺れる檻の中で、気ままで優雅に座っているように見えただろう。しかし、その姿は、殆ど争わなかったとはいえ、結ばれた艶のある黒髪は僅かに解け掛かり、長い脚は些か窮屈そうに折り畳まれ、後ろ手に縛られているのだ。白い肌に食い込む毛羽だった縄を見るだけで、謝憐は妙に耐えがたい心地になった。
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