おはようハニー!ロンドンの街中、朝からザワザワと賑やかな音をアラーム替わりにまだ重たい目蓋をほんの少し持ち上げる。
一瞬仕事は何時からだったか、シフトを確認しないと…と身体を持ち上げかけたところでそうか今日は有給を取って丸一日休みだったのだと思い出す。
マットレスに突っ張った腕から力を抜き再び身体を沈み込ませていく途中、視界の端に映り込んだふわふわの塊が微かに揺れた。
「起きてたのか」
「うん。おはようマーク」
「おはようスティーヴン」
朝の挨拶を交わしそのまま自然と額に優しく口付ける。自分にしか聞こえない程小さな音を鳴らしゆっくり離れると再び視界に入ったスティーヴンが緩く微笑んで自分のことを見つめているから訳がわからず首をかしげた。
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