【ゲ謎/父水】視聴後感想こぼれ話 視聴後感想は父→(略)→←水でした。
何だあの人外が崖から転げ落ちた図。見事なまでの雪崩巻き込まれだったんだけど何なのあの土石流。どう考えても一人に慣れて大切なものが出来たら守ると決めてる系の人がふと本当に迷う感じに、あの弱くても優しいからこそ真摯になったら不器用に自分を思ってくれた人間が来てくれたらなぁ…程度に思ってしまったら、命がけで来てくれちゃったアレなんだよな……??
性的って言うか、信頼した瞬間の熱量が持続している感じ。誰かを思う事に不慣れな人間に選ばれた故の愛おしさと高揚、不条理に抗うその熱に、預けられた信頼、その全てが失いたく無いと決断するだけの理由に値する。
好きとか執着とかその瞬間には無くて。
たった一人、応えてくれた。
妻を見失いただ彷徨っていた自分をそのまま支えてくれた存在が居た。
ただそれを、守りたかった。大切な人の中に、彼を入れた。
最初は其処だったんだろうなぁと。そして映画時間内ではそれが全てだったんだろうなぁ…と。
会いたい。来てくれた。会えて嬉しい。生きててくれて嬉しい。
分からずとも良い。生きててくれたそれでもう良い。
あぁでも、その命だけは目溢ししてくれぬか。この世に一人残す倅なのだ。
連れて行かんとくれ、なぁもう二度と名を呼ばれる事も無いわしが信じた相棒よ。
お主はもうその目に見えるものが愛しくは無かろう。
嗚呼友よ、友よ。わしの大切な者達よ。
今、動けぬ身ではそれだけが悔しゅうてならぬ。
お主たちが共に生きる未来が、この目で見たいのだ。
友よ。お主にもう一度、期待しても良いか。
二人が笑う未来を。
わしら最後の夫婦が愛した二人よ。
嗚呼叶うなら、その姿を見守らせておくれ。
叶えてくれぬか、我が相棒よ。
それしか願わぬから 友よ。
まぁ目玉になってしまった自分に驚いたり養父として生きることを決めた人に見つかって記憶が戻るか戻らないかどちらかあったりするけど、基本的に静かに義親子を守るポジに落ち着く目玉の人だと思う。
なんにも出来ないと嘆いたりするも、知恵だけは失っていないと諭すのは養父の方だと思う。そこで目玉という形の基本が出来て行くと良い。人脈も知恵も息子へと継がれ、けれどそれの器となる人間との間はふわふわとしている。
お主それで良いのかと。
聞いた養父はいいんじゃないかと答える。
いいんだよ。お前らが生きてりゃなァ。
思い出すのは逃げる時に振り向いた先の大男の影法師。まるで泣いているような、置いて行かれた子供のようなその姿。
子供を殺めかけた事よりも、夫婦を見捨てた事よりも、あの大男の影法師がやけに細く頼りなく思い出されてたまらなく。そうして一人、口にする。
逃げるでないと、聞こえた声は誰のものなのか。
あの落雷に、見えた姿は誰なのか。
嗚呼友よ。それは妖し、ゆめまぼろしだと声がする。
楽しげに寄る人魂に、養父は一人酒を飲む。
逃げなかったぞ。逃しゃしねぇぞ覚悟しやがれ優男。
にやりと笑えばそれきり人魂消え失せて。
それはそれは良い月の夜に、目玉は倅に隠れ目を閉じた。
さてさて見つめていたのはどちらのまなこか。
それは月さえ知らぬその後の話。
May 25, 2024 12:16 BlueSky
2024/09/12 10:02 改行等修正