「あれ?クソ猫じゃん」
「は?」
酷くムカつくような聞き覚えのある声が聞こえてきて、思わず返事をしてしまった。
「……はぁ、最悪。会いたくない奴と会っちゃったんだけど」
ため息をつきながら相手を睨みつける。
「奇遇だね、ぼくも君みたいなアホには会いたくなかったよ」
嫌味ったらしい笑みを浮かべて、奴はそう言ってきた。
「じゃあなんでわざわざ僕に声掛けてきたのさ。え?なに?僕のこと好きなの?」
思わず包丁を投げそうになったがグッとこらえて相手を煽るように言葉を投げ掛ける。
「勘違いしないで欲しいんだけどなぁ。ぼくはただ一人ぼっちで暇そうにしてる可哀想で哀れなクソ猫がいたから仕方なーく喧k…ゴホンッ、声掛けてあげようかなぁと思っただけだよ」
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