🛡💣ジェパサンgepo二人は軽く飲むつもりでグラスを傾けていた。
「ほらほら、今日はジェパードのペースに合わせますからね。僕は控えめにしておきますよ」
「……ふむ。君がそう言うなら」
――数十分後。
「……っふ……サンポ……」
「!? ジェっジェパード!!? 顔、赤いですよ!?」
「……少し、回りが早いな……」
いつもは揺るがない氷の守護者が、頬をほんのり染め、ぐらりとサンポの肩に体を預けてくる。
「ちょっ……うわわっ!?ジェパード?酔っ払ってるんです?」
「……君が隣にいると……あったかくて、気が抜ける……」
「~~っっっ! や、やめてくださいその甘いセリフっ!」
サンポは慌てながらも、ジェパードの頭を支えるように抱きとめた。
途端に、首筋に熱い吐息がかかる。
「……離れるな……もっと、近くに」
「っ、!? あの、そんなにくっつかないでくれません?」
「……んん」
「いやいや、ちょっと!!!」
必死に誤魔化そうとするも、ジェパードは酔った勢いでサンポを抱きすくめ、額を重ねるようにして甘える。
「……サンポ。もっと近くに寄ってくれ…」
「っ……」
普段なら決して口にしない言葉。
サンポの胸に、ぐっと響いて――真っ赤な顔で、彼は小さく笑った。
「……まったく。反則ですよ、ジェパード様。こんな顔、僕だけの特権にしていいんですよね?」
「……ああ。君だけだ」
二人のグラスはすっかり忘れられ、夜はまた甘く深まっていった。
ふらりとサンポに凭れかかったジェパードは、完全に体重を預けてきた。
「わっ!? ジェパード! こ、ここ床ですから! せめてベッドに――」
「……ん……じゃあ、一緒に」
気づけば強い腕に抱き上げられ、二人はそのままベッドに倒れ込む。
重なる体温。酔いの熱と混ざって、サンポの鼓動は跳ね上がった。
「ちょ、ちょっと! だ、大丈夫ですか? ほんとに酔って……」
「……大丈夫だ。」
「どこがですか??!!」
額をこすりつけるように甘えてくるジェパード。
いつもなら真っ直ぐな瞳が、少し潤んでとろけた色を帯びている。
「……守るとか、誓いとか……今はどうでもいい。……僕はただ、君が欲しい」
「っ……」
普段なら絶対言わない直球の言葉に、サンポは喉を詰まらせた。
慌てて笑いでごまかそうとするけれど、ジェパードの腕が離してくれない。
「サンポ……」
「……っ、そんな顔で呼ばないでくださいよ……もう」
返事の代わりに、唇を重ねる。
最初は酔いのせいか少し乱れた動き。けれど、互いに求め合う熱で、やがて深く濃く絡み合っていく。
「……あなた、ほんと反則ですよぉ……」
「……僕は……君にしか、こうはならない」
夜は静かに、しかし甘さを増しながら――氷すら溶かすほどに深まっていった。乱れた呼吸が落ち着くことはなく、二人はベッドの中で寄り添い続けていた。
ジェパードの頬はまだ赤く、けれど先ほどの酔いだけの熱ではない。
腕に抱かれたまま、サンポは胸の奥がじんわり熱くなるのを感じていた。
「……サンポ」
「はいはい、ここにいますよ。逃げたりしませんから」
「……僕は……いつも君に支えられてる。」
「へ……?」
不意の言葉に、サンポは目を瞬かせる。
ジェパードは潤んだ瞳のまま、けれど真剣な声音で続けた。
「強くあらねばならない、揺らいではならない。……そう思ってきた。だが……君といると、鎧を脱いでしまう」
「……」
「本当の僕を知って、なお傍にいてくれるのは……君だけだ」
サンポはしばし言葉を失った。そんなことないですよ、なんて、からかいの台詞も、気の利いた冗談も出てこない。
ただ、胸が詰まって――
「ジェパード」
「……」
「そんなこと言われたら……っ、」
笑おうとしても、声が震えてしまう。
それをごまかすように、サンポは相手の首に腕を回した。
「……僕だって、あなたに救われてるんですよ。こうして傍に置いてもらえるだけで」
「サンポ……」
「……だけど、お互いの立場ありますし…、っ、そんなことわかってるでしよ?」
ジェパードは一瞬だけ悲しげに目を伏せ、すぐに強く抱きしめ返した。
「……あぁ、わかってる。」
「~~っっ…ほんとに?!」
ジェパードはその手を抱き寄せて、何度も何度も口づけを落とした。
「……それでも、離れない。僕も、君も」
「……はあ、まぁ、……このサンポ、今は、逃げませんから」
氷をも溶かす熱と、互いに素直な心をさらけ出した夜は、静かに、しかし果てなく続いていった。何度も口づけを重ねても、僕たちの熱は冷めなかった。
互いに心をさらけ出した今だからこそ、欲望も想いも、もう隠しようがない。
「……ジェパード」
「……サンポ」
名を呼び合うたびに、距離はさらに縮まっていく。
肌と肌が触れ合い、吐息が絡み、夜はますます深くなる。
「僕のことそんなに欲しいんですか?こんなに求めてきて。」
「……あぁ、僕の本当の姿を受け止めてくれるのは、君だけだ」
耳元で囁かれた低い声に、僕は全身を震わせる。
もう、軽口を叩く余裕なんてどこにもない。
求め合う唇は次第に貪るように深くなり、腕の力はさらに強くなる。
重なるたび、心の奥まで溶かし合うように――
「……サンポ」
「……ん……」
途切れ途切れの声しか出せないほどに、僕たちは互いを求め続けた。
時間も、氷も、理性さえも溶けていく。
「……君が欲しい」
「……僕も……僕だけを見て」
夜は果てることなく、何度も何度も確かめ合うように続いていった。乱れた息がまだ整わないうちに、僕たちはまた強く抱き合っていた。
胸の奥に残った熱が、鎮まるどころかさらに燃え上がっていく。
「……ジェパード、まだ……足りない、っ」
「……僕もだ。どうしても、止まれない」
さっきまでの甘い余韻なんて、とっくに吹き飛んでいた。
触れれば触れるほど、もっと欲しくなってしまう。
「……君を感じていないと、不安になる」
「戍衛官様がそんなこと言うなんて……可愛いじゃないですか」
「……からかうな」
怒ったように唇を奪われて、僕は声を飲み込む。
けれど次の瞬間、また深く溶かされて――身体の芯まで熱くなる。
「……っ、ん……僕、もう……」
「サンポ……まだ終わらせたくない」
「……ああ……っ、……」
抱き寄せる腕はさらに強く、重なった視線はもう離れない。
互いを求める衝動に抗えず、僕たちはまた夜の中へと溺れていった。
「……君が欲しい。何度でも」
「……僕も……ずっと……僕を見て」
氷の街の静けさの中で、僕たちの夜だけが燃え続ける。
その熱は止むことなく、何度も、何度でも――。窓の外はまだ夜。
けれど僕たちの世界は、とっくに時間の感覚なんてなくしていた。
荒い呼吸の合間に、ジェパードが僕の名前を呼ぶ。
「……サンポ……、っ」
「……っ、僕だって……っ、もっと……もっと欲しい」
触れるたびに熱が跳ね上がる。
さっきまでで十分だったはずなのに、僕の身体はまた彼を求めてしまう。
「……こんな僕、見せていいのは……君だけだ」
「……嬉しい事言いますねぇ……じゃあ、もっと僕だけに見せてください」
挑発するように囁けば、答えは熱に満ちた口づけだった。
唇も、吐息も、心の奥までもう限界なんてない。
「……サンポ……っ」
「……っ、ああ……ジェパード……」
互いの名前を呼ぶ声は震え、重なるたびに夜はさらに深く、さらに激しくなる。
もう何度目かなんてわからない。
ただ、僕たちはひたすらに互いを求め、溺れ合っていた。
「……もう離せない。僕は、ずっと君のものだ」
「……僕も……僕だけを、見て……」
氷すら溶ける熱に包まれて――夜明けが来るまで、僕たちは止まることができなかった。夜はとっくに深く、息も声も掠れているのに――僕たちはまだ終わらなかった。
シルバーメインの戍衛官である彼が、ここまで必死に縋っている。
汗に濡れ、乱れた金髪を振り乱し、僕にすがりつく姿は……誰にも見せられないほどに脆くて、甘い。
「……ははっ、ジェパード様……そんな顔、僕だけに見せてくれるんですね」
「……サンポ……僕を、狂わせるのは君だけだ」
囁かれた言葉に、胸の奥まで痺れる。
強いはずの彼が、僕の名を呼んで、泣き出しそうな声で求めてくるなんて――。
「……ああ……もっと、僕だけにください」
「……サンポ……っ、サンポ……!」
名前を呼ぶたび、彼の体温が乱れた熱を伝えてくる。
もう数えきれないほど重ねたのに、求める気持ちは終わらない。
「……シルバーメイン戍衛官なんて、もういない。今の僕は……ただ、君の男だ」
「……っ、ジェパード……っ」
言葉に胸が詰まり、僕は彼を強く抱きしめ返す。
夜明け前の静けさの中で、二人の熱だけが燃え続け――
氷を砕くほどの愛に、僕たちは何度も、何度も溺れていった。