ねがい知りたいこと、見たいこと、強く願っているとそれは現れる。
時には少女、時には動物の姿
正確な姿を知るものはいない。
不可思議なその存在は一つだけ希いを叶えてくれる。
ただ、それを得る代わりにかわすのはある約束
知り得たものを悪用しないこと。
約束を破れば自身に跳ね返る。
人ならざる力に導かれて不幸が襲いかかるのだという。
アパートに若い女性の遺体が見つかる。穏やかな表情だった。
持ち物には遺書のような手紙。
その遺書は女性の書いたものではなかった。
紙のような、プラスチックのような不思議な紙。
女性は自殺だと
(警察署)
葉瑠は荷物をもってとある扉の前に立つ。
やらかした葉瑠は閑職に飛ばされた。
医務室。
「総務課じゃないのかよ。医務室ってなんだよ」
扉を開ければ。
男が一人。
髪の長い男だった。
「やっと来た。俺の相棒が。待ちくたびれたよ」
白衣の男はにこやかに葉瑠 を見ていた。
葉瑠に渡された仕事は、とある女性を探すこと。
所長直々にもらった仕事だ。
占いの館◯◯の占い師らしい。
彼女に会った人が口々に感謝の言葉を並べる。
犯罪しようとしていた人が踏み止まる。
行方不明者が十数年ぶりに帰って来た。
死者の言葉を聞いた。
調べれば調べる程に怪しい女にしか見えなかった。
亡くなった女性が、占いの館を訪ねていた。
同じく人物を追っていると1課の刑事が訪ねてきた。
「あなたの希みはなんですか?」
その女は葉瑠に問う。
なんにもないというも、彼女は全てを見透かすように笑う。
葉瑠はバディの刑事を亡くしている。
「死んだ相棒に言いたい。なんで1人で行ったって文句言いたい。なんで俺を連れてゆかなかったのかって」
「あなた希い叶えましょう。チャンスは一度だけですよ」