猫猫が猫になる話天祐が作ったのは不思議な薬だった。
猫になる薬。
間違って飲んでしまった猫猫。
屋根から落ちた。
気づいたら見知らぬ場所にいた。
見慣れない家屋。
見慣れ着物を着た人達。
何より違和感を感じるのは、周りの風景と建物、人が異様に大きいのだ。
「かわいい猫ちゃんだね」
今なんて……。
猫?
近くにあった大きな水たまり、もとい池をのぞけば黒猫が一匹映っていた。
そして天祐の言葉思い出す。
あの馬鹿、人で実験仕上がったな。
猫猫は猫の姿になっていた。
しかもそこは茘という国ではなく、猫猫の知らないわけのわからない国だ。
どうすんだよ。
大体、ここどこだよ。
猫猫は途方にくれた。