『おはよう』
ちゅっと軽いリップ音に瞼を開く。部屋に差し込む光に目が眩み、光を遮るように腕を翳した。
『寝坊する気?』
くすくすと頭上で笑う気配を抱き締め、そのままソファに沈んだ。腕の中の暖かさに、気持ち良さからぎゅうっと抱き締める力が強くなる。このまま再び瞼を閉じそうになるのを、口の中に入ってきたぬるりとしたものによって遮られた。
ぬちゅ、くちゅといやらしい水音が明るい部屋の中に響く。ぬちゅりと離れる舌を名残惜しげに最後に絡めた。
『今から出掛けるつもりなんだけど、一緒に来る?』
「・・・・・・・・・く」
髪の毛をくしゃくしゃと撫でる彼にしがみ付きながら体を起こす。二人で軽く朝食を作り、さっさと着替えて出かける準備を済ませた。
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