でも心地よい温度だった。「あ"ーっ、あ"っちぃ…」
俺はドット・バレット。極々フツーの高校生だ。
まぁ、フツーとは言うが1個だけ普通じゃない点があるとすれば前世の記憶があるということ。
前の人生で生きてた世界は今の世界と正反対で、今の人生からすると漫画の世界のようだった。でも全部本当の出来事で、証明することは出来ないけど俺はちゃんと覚えてる。
閑話休題。
で、今は俺は夏真っ只中の炎天下の下を歩いている。
夏休み中だというのに制服を着て、だ。
声に出すと余計に暑くなるような気もするが、文句の1つも出てきてしまうほどここ連日の暑さは異常だった。
「……そんなに暑いのが嫌なら、学校に出てくる必要など無かっただろう」
数歩後ろから暑さに似合わない涼やかな声が聞こえてくる。俺は立ち止まって振り向き声の主を見る。
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