貴方と共に星空を(仮)そこには、孤独があった。
深い深い絶望があった。恐怖が足を縫い止めた。落胆が胸を叩き、自身への失望が臓腑を喰い破った。
そこには、祈りがあった。
燦々と灯る希望があった。勇気が背中を押した。渇望が胸を締め付け、未来への羨望が体を繋ぎ止めた。
───どうしてそこまでするんだ?
『自分』への純粋な疑問だった。
───どうしてそこまでするの?
『自分』への心配の声だった。
『自分』はただ、愛おしそうに、恋しそうに微笑んでいた。
───ごめんなさい。でも、譲れないんだ。
そうして辿り着いた終点で、世界に融けていく自身の体を見た。でも、その時胸を占めたのは恐怖より───
「……また変な夢か……」
蝙蝠の耳を持つ青年は目を覚ました。携帯のアラーム音は規則的に鳴り響いている。それを止めてから表示されている時間を確認し、青年───オロルンは思わず頭を抱えた。
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