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    本能覚醒

    @babuchanday

    短めの虚妄記録

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    本能覚醒

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    許可厨タキとウジウジユジ

    ##タキユジ

    「……いいか?」
     唇が触れ合う寸前、まともに顔も見えないような近さになってから問う。それが、タキのやり口だった。ユージンはまたかと思いながらも、いつもの如く唾を呑むことしかできなかった。囁くような声と共に湿った吐息がかかる。こんなのはもう、キスしているのと同じだろう。そもそもこの状況で逃げ出さず、顔すら背けずにいるのは、ほぼ頷いているようなものだというのに、何の確認をされているのか。それでも、形だけでも嫌がったり、拒んだりする気は起きなかった。もし徒にそうしたことで、次が無くなるのが、——終わってしまうのが怖かった。タキは見切りをつけるのが早い。だからといって、潔く頷こうとは思えなかった。恥ずかしいからとか、悔しいからとか、そんなつまらない理由ではない。一度でも頷いて、受け入れてしまったら、それこそ終わってしまうような気がした。ならば、何者にもなれないままでいいから、触れ合っていたい。愚かにも、ユージンはそう願ってしまっている。
     返事を待たずに、唇が重ねられる。ぐっと体を強張らせたのがバレたらしく、タキにふ、と笑われた。キスをするのか、笑うのか、どちらかにしてほしい。そう、怒ってやりたいのに、ユージンはうっかり満たされてしまっていて、寧ろ離れないように自ら唇を押し付けてすらいた。タキの舌がぴたりと閉じた唇のあわいをなぞるので、されるがままに口を開くと、突然タキにぐっと肩を押された。
    「いいのか?」
    「……は? おい」
    「ん?」
      ん? ではない。口を開いたのだから、いいに決まっているだろう。抗議を込めてタキを睨み上げると、今にも吹き出しそうな表情をしていた。この男、ユージンの反応を面白がっている。いつも何かのトリガーでもあるかのように、いいかと聞いてくるから漠然と恐れていたのだが。
    「……俺の考えすぎか?」
    「なんだ?」
    「…………いや、いい。もう、いいから」
    「いい?」
    「いいと言っているだろう!」
    「声でか……」
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    DOODLE⚠本誌ネタバレ
    ・📱の一人称
    ・📱たちに関する捏造

    📱も📵も感情が実装されてるのにイノセントで無垢な感じがする
    わたしは2機に夢を見ています
    あなたの約束にはならない リハビリも兼ねた、難易度の低い任務でした。クロノさんは53回目で[[rb:攻略未来 > クリアルート]]を見出し、運転手を含むすべての人質をバスから降ろすことに成功したのです。最初はトンチキな動きをするものの、試行錯誤して誰一人傷付かない未来を掴み取る強さがクロノさんにはありました。記録に合致する、いつも通りのクロノさんです。

     2074年の自動操縦バスが犯人とクロノさんだけを乗せてハイウェイをまっすぐにひた走っていました。さほど距離のない通路の端と端で睨み合っているのは、相手が拳銃を持っているからです。犯人に武術の心得はなく、今の状況だけなら、前にクロノさんが攻略したコンビニ強盗事件の方がよほど危険な状態だったと言えます。[[rb:照準 > サイト]]の合わせもふらふら、バスで揺れて姿勢も安定しません。クロノさんもそれを察しているようで、カーブに差し掛かった時に飛びかかろうとしているのでしょう。弾丸がクロノさんの急所へ命中する確率は、それこそ100万分の1以下……ぼくはそう判断していました。
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