はぴして オズ+フィガロ 新作展示『ステンドグラス』「…………」
オズが無言で立っていた。見上げ、赤い瞳を煌めかせている。
「初めて見たの?」
こくん。長い髪を揺らめかせて、その小ぶりな頭を振る。きっと、こんなにたくさんの色を見たこと自体が初めてなのだろう。こいつのいたところは、雪、岩、枯れ木、そんな色ばかりだっただろうから。
「おいで、近くで見せてあげる」
静かに箒を出現させ、柄に腰掛ける。手を差し出せば、一瞬の躊躇ののち、手を取るオズ。随分と大人しくなったものだ。出会い頭に雷ぶっぱなしてたのが懐かしい。
俺はオズを抱いてゆっくりと飛び上がる。
「これは赤。おまえの瞳の色だね。こっちは青。ちょっと違うけど俺の髪の色。この沢山使われてるのは黄色。双子様の眼の色だ」
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