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    スナギモ

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    スナギモ

    ☆こそフォロ

    CAGE加入前一般小学生時代エナスズSS

    ※2024/08/31 トワツガイFans投稿

    台風の日の夜に双子が同じ布団で寝る話   ❄

    「鈴々、そっちに行ってもいい?」
    そう声をかけると、布団がもぞもぞ動いて鈴々の頭が出てきた。
    「……なに、眠れないの?」
    「うん……風の音がこわくて」
    わたしがそう言うと、鈴々は呆れたようにため息をついた。
    「もう、しょうがないなあ……菜々は怖がりなんだから。ほら」
    「鈴々ありがとう、大好き!」
    鈴々が端っこをめくってくれた布団に滑りこむ。
    頭をごっつんこしないように気をつけながら、布団の中で鈴々にぴったりくっつく。
    とくん、とくん、と鈴々の心臓の音がきこえる。おでこから温もりが伝わってくる。
    「鈴々、あったかい……くっついてるとぽかぽかする」
    「そのまま目を閉じてれば、すぐに眠れるよ」
    「うん……おやすみ、鈴々……」
    「おやすみ、菜々」
    鈴々の言うとおり、目を閉じるとすぐに眠たくなった。
    だいじょうぶ。雨の音も、風の音も、もうこわくない。だって鈴々といっしょだから。


       🔔

    「鈴々、そっちに行ってもいい?」
    目を開けると、はしごを上ってきた菜々の顔が近くにあった。
    「……なに、眠れないの?」
    「うん……風の音がこわくて」
    「もう、しょうがないなあ……菜々は怖がりなんだから。ほら」
    ほんとはボクもちょっと怖くて、ひとりで寝るのは心細かった。
    でも、それがばれるのはイヤだったから、わざと眠そうな声で返事をした。
    「鈴々ありがとう、大好き!」
    そんなことを知らない菜々は、無邪気にボクにくっついてくる。
    かわいいかわいい、ボクの菜々。首元に髪の毛があたって、ちょっとくすぐったい。
    「鈴々、あったかい……くっついてるとぽかぽかする」
    「そのまま目を閉じてれば、すぐに眠れるよ」
    「うん……おやすみ、鈴々……」
    「おやすみ、菜々」
    世界で一番大切な片割れの隣で、ボクもそっと目を閉じる。
    胸がぽかぽかするのはきっと、さっき菜々からもらった『大好き』のせいだ。
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