ふと目が覚めた。
アキラのほうを見ると布団が床に落ちていた。暑くて蹴ったようだ
ベッドから立ち上がりクーラーの温度を下げる。
ひんやりとした風が部屋に流れ出した。
(これでいいかな、俺にはちょっと寒いけど)
落ちている布団を拾い、アキラにかける。
「アキラ、ね、隣いい?」
「…ん、…」
うすく目を開けて俺を見ると体を動かしスペースを開けてくれた。
そこに横になる。
アキラのぬくもりが俺の体を包んだ。
「ふふ、あたたかい…ありがと」
背中越しに声をかける。
寝てるアキラからは返事はない。
「……好き、だよ」
そっとつぶやく。
届いてない、届かなくていい…この想いは…
目を閉じて眠りにつこうとした時アキラが起き上がった。
「ア、アキラ、どうした?…ごめん、起こしたね…」
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