お前は俺の その日は梅雨の半ばにも関わらず晴天だった。
あまりに天気が良いから空を見上げながら昼飯を買いに出掛け、戻ってきた所で大きな鳥がまさに飛び立とうとしているのを、見た。逆光にも関わらずその鳥は白く、白く、いや、よく見れば白いのは肌だけで普通に黒いスーツを纏っている。
(は?鳥じゃねぇぞ)
何をどう見間違えたのか、鳥だと思ったのは人で、自社ビルの屋上のフェンスに直接尻を乗せて座っているってことはまさか自殺するつもりなのか?慌ててビルに駆け込み、数機揃って不在のエレベーターに舌打ちして階段を駆け上がり、やがて息を切らしながら辿り着いた屋上のドアに殆ど体当たりした。飛び込んできた強い光に目を細めながら探すと、白いのはまだちゃんとフェンスの上にお座りしたまま、
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