盃に涙を流すエンマ大王から定期的に送られてくるお中元やら何やらが、今年も来た。
元祖宛と本家宛で中身はさして変わりは無いのだが、元祖が魚であれば本家は肉だったり、その程度の違いはある。
だがさすがエンマ大王と言ったところか。
この大王が送ったふたつ分の贈り物、互いにそれぞれの相手方が好きなものが入っており、量的にもあわせると両軍で宴会ができる量になるのである。
故に毎年交互にそれぞれの屋敷で宴会を開くのが恒例行事となっている。
そんな中、今年は元祖屋敷で開かれる年だった。
「……今年は元祖だァ?」
「昨年ここでやったじゃないか、そんなことも忘れたのかい?」
「いや忘れてねーけどよ……」
ノールックで書類を渡すキュウビとそれを受け取っては文字を書き判を押す大ガマ。
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