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    iori_ihori

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    DONEラブレターの日ということなので。同棲洋三でラブレター小ネタです。恥ずかしがり屋のラブレター


    いつもより、少し遅めに起きた休日の朝。
    リビングのテーブルに置かれた封筒へは【水戸へ】と書かれた三井さんの文字。
    なんだろう?と思いながら中を取り出せば便箋が一枚。
    二つ折りにされたそれを開いて目にしたものは。
    【俺はお前が思ってる以上にお前に惚れてるし、愛してんだかんな。あと、この気持ちはお前のと一緒にお前と俺ごと墓場まで持っていくつもりだから覚悟しとけ】
    「・・・・・」
    まったくもってこの人は・・・
    俺との関係を全然周囲には隠しはしないけど、変なとこで恥ずかしがり屋で、俺に面と向かっては「好きだ」とか「愛してる」とかはなかなか言わない。
    それなのに、こんな熱烈なラブレター寄越してくるなんて。
    「・・・マジで、何回惚れ直させたら気がすむの、あの人・・・」
    三井さんの文字をなぞりながら、俺は口許が緩んでいくのを止められない。
    きっとこれを書いてる最中も、封筒に入れ込む時も、顔を真っ赤にしてたんだろうなと、想像できてしまう。
    「帰ってきたら、三井さんにどんだけ嬉しかったか教えてやんなきゃな」
    真っ赤な顔して涙目で逃げを打とうとするだろうけど、逃がしてやる気 551

    歩/零

    TRAININGhttps://poipiku.com/3231663/8692803.htmlの話の続きですが、よくあるなんちゃらオチ的な内容です。
    前回の話の終わり方でおしまいにしたいという方は無理して読まなくても問題ありません。
    なんちゃらオチだからってハピエンではないので、なんでも大丈夫な人向けです。

    超余談ですが、お題を見た時に先にこのオチのほうを思いついていて、メインはそこから遡って考えました。
    視界に広がるのが彼の顔ではなく、見慣れた寝室の天井であることを脳が認識するよりも早く耳をついたのは己の荒い呼吸音だった。夢と現実の境目が曖昧で心臓が嫌な音を立てているのが分かる。
    無理矢理深く息を吸って吐く、を繰り返しようやく少し落ち着いたところでベッドの中の隣が空っぽなことに気が付き、どくりと再び心臓が跳ねた。
    勢いよく起き上がって一人分空いているスペースを震える手で撫でる。

    そんなわけない、あれは夢だ。ケーキだフォークだなんてものは存在しないし、俺は三井さんを食べたりしない。

    動揺を現すように、どくり、どくりとだんだん大きさを増しながら耳元で鳴っているように感じていた動悸の隙間にふと生活音が飛び込んでくる。息を詰めて耳をすませば、寝室の向こう――おそらくキッチンから物音が響いてきて、何度も聞いた耳慣れたそれに一気に脱力した。まだ胸中にわだかまる不安を全て押し出すように大きく息を吐く。
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