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    jagariko_k222

    @jagariko_k222

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    jagariko_k222

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    ネタバレ無しSS
    同居人×とあし(自探索者クロスオーバー)
    登場人物↓
    同居人 朱 雨萱(ジュ ユイシェン) マフィア若頭護衛
    とある幸せな家族の話 HO3 愛染 魅殊(あいぞめ みこと) 中学生

    両シナリオの数年前

    自探索者の絡みが見たかった。それなら、自分の手で生み出せばいい……………

    (同居人×とあし)夏祭りの最中にて「また来てくださいっす〜!!」
    「はぁいユイちゃん、また買いに来るからねぇ。」

    屋台の一角。『からあげ』と大きく書かれた看板を掲げ、ユイこと、雨萱は常連客に手を振った。
    今日はとある神社で開催されている夏祭りの最終日である。夏休み真っ最中なこともあり、一際客足が多く感じられた。

    「う〜ん…最終日だから意外と人来ないかなぁって思ったんすけど、意外と来るっすねぇ…。」

    ユイがそんな独り言を呟いていると、

    「あの、すいません、唐揚げ12個入り、1つください!」

    小学生…いや、中学生くらいの男の子が指をピンと立てていた。

    「はいっす〜!おひとつっすね〜!で、串は何本要るっすか?」

    「えーっと、俺と、統護と、4つです!」

    「了解っす!あれっすか?お友達っすか?」

    「家族です!お父さんと、お母さんと、弟と!」

    その男の子の顔は、みんなでお祭りに来れて嬉しいと、心底思っているような屈託のない笑顔だった。

    (…笑顔が眩しいっすねぇ。こういう子が将来楽しく遊べるように、私らがいるってことっすかねぇ…)

    そもそもマフィアと民間人が関わることはないのだが、お祭りで関わっている時くらいは、彼らの幸せを願ってもいいだろうとユイは思った。

    「…いいっすねぇ家族。でも、あれっすよ、おにーちゃん。あんまり家族構成言いふらすと、わるーい大人に…なんか、こう、わるーいことされちゃうっすよ?」
    ユイは、精一杯の悪い顔をしてそう忠告した。
    するとその男の子は首を傾げ、
    「お姉さんは悪い大人なんですか?」
    と、不思議そうに聞く。
    「わーーーーーーるい大人…ってワケじゃあない…っすけど?あれっす!正義のヒーローっす!」
    ユイは目を逸らしながらそう言った。正義とは程遠い立場にいる自覚があるからだ。
    「正義のヒーロー!かっこいいですね!!」
    目をきらきらさせながらその男の子は言う。人を疑うことを知らない子どもというのは、こんなにも眩しかったのだろうか。
    「…あ!そうっすそうっす!おにーちゃん、お名前なんて言うんすか?」
    「俺…ですか?愛染魅殊って言います!」
    えーっと…と、ユイはカバンをゴソゴソと探る。
    「魅殊くん、これ、弟くんと一緒に遊んでくださいっす!」
    ユイは、魅殊に、唐揚げと共にチケットを手渡した。
    「…これは?」
    「あそこの射的の特別券っす!私の名前出せば、2.3回はプラスでやらせてくれるっすよ!」
    「ほんとですか!!やったあ!…統護、喜ぶだろうな…ところで、お姉さんのお名前はなんですか?」
    「ああ!言ってなかったっすね。私は、朱 雨萱っす!ユイ姉って呼んでくださいっす!」
    妹になることはあれど、姉になることはこういう時しか出来ない為、ユイは得意げにそう言った。
    「了解です!ユイ姉、ありがとうございました〜!!」
    魅殊が去っていくと、遠くで頭を下げる夫婦と、その後ろにサッと隠れる男の子が見えた。あれが彼の家族なのだろう。
    「家族……いいっすねぇ。私も家族を守らなきゃっすから。」
    護衛対象、しかし家族のような結び付きを感じる1人の人物を思い浮かべながら、魅殊に呼ばれた、『ユイ姉』の響きを噛み締める雨萱であった。
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