パンケーキお題「朝ごはん」
ウルヴァリンにとって食事というものは生きる為に必要最低限に行うものでしかなかった。酒浸りの荒れた生活の中で、ウルヴァリンは食事を次第におざなりにするようになった。
――食べても味がしないのだ。
別に元いたアースの飯が不味かった訳では無い。
酒を飲む為にバーを転々とするようなその日暮らしの男は次第に周囲から煙たがられるようになった。中には明らかに怯えた目を向けてくる者もいる。そうなると何を口に入れても砂を喰ってるような気分になる。
”ワーストローガン”に相応しい、無様で酷い有様の自分自身を自罰的にアルコールで更に追い詰めていた。
皮肉な事に、ヒーリングファクターは肝臓にも働いているらしい。どんなに酔っていても何を飲んでも中毒で倒れる事はなかった。
1956