炭酸の 泡が弾けて ぱらら ぱらら
雲の波間に鯨が跳ねて 帽子が飛んだ
ちいさな トナカイが ワルツを踊る
林檎の炭酸を貴方と二人
王冠あけたら吹き出してぱらら
笑いながら流し込む
ほんのり酸っぱくて甘い林檎の炭酸
夢みたいだと言ったなら
あなた わらって 残酷な言葉はらり
「夢だぞ?」
その顔が素敵な笑顔だったので
恐ろしくなった俺は 悲鳴を上げて
飛び起きる
自分で自分を 抱えれば
炭酸 はじける みたいに 震えて
鼻の奥が ツンと痛くて
まるでこの体 冷たい炭酸の瓶
子供みたいに 震えていたら
あなた 後ろから抱きしめて
「怖い夢でもみたのか?」
恐れたあなたと 同じ声で言う
俺は いなくならないで と縋るばかりで
無様な姿は まるで 腐った花
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