花城バースデー誕生日と一言で言っても祝い方は様々だ。
謝憐は困ったようにアクセサリーショップの前でキョロキョロと視線を泳がせている。
「どうしたの?」
「三郎・・・これでは私への贈り物ではないか?」
「僕が哥哥に贈りたいんだ。受け取ってもらえることが、僕へのプレゼント」
そう言うと、謝憐の手を取り花城は高級そうな黒い扉をくぐる。
今日は花城にとっても謝憐にとっても特別な日。花城の誕生日だ。
愛する人の誕生日。謝憐は彼が喜ぶものを贈りたいと思っていたが、花城は大抵のものは自分で手に入れられるし、自分はあまり金銭的に裕福でもない。目の肥えた彼のこと、並みのものでは期待を裏切ってしまう。
すっかり困り果て、友人に相談したところ、彼はトレードマークの扇子を開いてこう言った。彼に直接聞いてしまえばいい。サプライズはとても重要だが、初めて過ごす誕生日。失敗をしたくないなら、相手に欲しいものを聞いて2人で買いに行けばデートにもなる。
3579