言霊「好きだよ、KK」
あ、言っちゃった。
お酒のせいだ。きっとそうだ。
不意に出てしまった言葉に、自分に向かってそう言い訳をした。
僕とKKの間にあるテーブルの上にはビールの空き缶とワインの空き瓶が転がっている。盛り上がってしまって飲みすぎたのは間違いない。その結果が先程の失言だ。
とはいえ、KKもだいぶ酔っている。顔は赤く染まり、暑いと言って上着を脱いで半裸の状態だ。彼の自宅だから良いものの、外では絶対して欲しくない。恥ずかしいからとかではなく、その綺麗な身体を簡単に人目に晒して欲しくないと言うのが僕の意見だ。
これだけ酔っているのだから、僕の声はちゃんと聞こえていないかも知れない。正直、そうであって欲しい。欲しいが、明らかにKKの目線が逸れたのでその可能性は低い。とはいえ、言葉に対する返事が返ってくるわけでもない。
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