Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    _kokokitann_26

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 9

    _kokokitann_26

    ☆quiet follow

    男の懐妊、ボテ腹が好きすぎるので牛は可愛い麺の子を孕んで欲しい。 (無茶言うな)
    らくがきだから感覚で読んで〜という気持ち。牛は30才の大人のおねいさんだからこういう悪いことして欲しいんだよね…。
    牛はまだ一族の絶滅と何故自分が生き延びれたかを理解してない時です。

    実りの季節はあ…、大きな溜息が喧騒に溶けた。個々の熱気を帯びて一団に盛り上がる居酒屋で似気無いその溜息の理由をブロッケンJrは渋々、そう渋々と聞いたのだった。

    「おーいバッファ…先程からなんだ、何か悩み事か? あんたらしくねぇな」

    「あー?…いやな、そろそろ来ちまうんだよ」

    「は?何がだ」

    「危険日」

    要領を得ない返答にブロッケンJrはリモコンハットのツバを上げ、バッファローマンの顔を見やる。 すると ぼー…と指で挟んだ小さな袋を睨む姿が映るのだった。 肉付きの良いむちむちとした大きい手指の間の袋をよくよく確認するとそれはブロッケンJrも週に2〜3度程お世話になっているコンドームの袋で、ブロッケンJrは あぁ…と声を出した。バッファローマンには彼女でも居て、その彼女の危険日でも近いという事なのだろう。そもそも…それもそうか、ブロッケンJrの中での彼は小さな事にクヨクヨ悩んだりしない。 あのロングホーンで下らないしがらみだって突き壊して走り抜けていくだろう。そんなバッファローマンが溜息をつくのだから 己の力ではどうにも出来ない事に悩んでいるに違いなかったのだ。幾ら強いバッファローマンでも彼女の危険日なんてどうにも出来やしない筈。妙に納得して肩を竦め、手を上げると未だにその袋を恨めしげに見つめるバッファローマンへ話しかける。

    「そういう事か、成程な…。だが仕方のねぇこったろう?」

    「おれはゴムが嫌いなんだ。気持ち良くねぇしあの突っ張る感じも中に出たか分からんあの感じも…セックスしたって気にならねぇじゃないか。同じセックスなのにこのゴム一枚の隔たりで満足感が変わってくる」

    「男なら皆そう思うぜ、まあ大切な彼女を守る為だ付けてやれよ」

    「……ラーメンマンがそう言いやがる、おれは付けなくていいというのに。はあ、確かにな…赤ん坊が出来りゃ困るんだろうぜ…だが その赤ん坊ごと愛して欲しいもんだおれは何時だって覚悟が出来てるというのにあの男はそれが足りやしねぇ」

    「………は?」

    ラーメンマン? ブロッケンJrは本日、しかもこの短時間の間に2度目の混乱に眉間を寄せた。どうしてこの会話の中でラーメンマンが出るのか。…あ、あぁ…この悩みをラーメンマンにも話したのかもしれない。 きっとそうなのだろう いやもしそうだったとしてもバッファローマンが放った言葉との統合性が取れないが…理解が出来ない。だってそうだろうブロッケンJrの先程までの仮定では、バッファローマンには彼女が居て、その彼女の危険日が来るのでコンドームを付けなくてはならないと悩んでいるとしていたのだ。だが これでは バッファローマンに来る危険日に、ラーメンマンがゴムを付けるというから嫌なのだと、バッファローマンが言っている様ではないか。…は、はは…とブロッケンJrは乾いた笑いを漏らしながらバッファローマンの肩を叩いた。

    「お、おいおい…よしてくれよそれじゃあお前さんとラーメンマンが出来てて…、お前さんに迫る危険日に…ラーメンマンがコンドームを使うと言うから嫌なんだと言ってる様じゃあねぇか!だはは!そんな事ある訳ねぇもんな!?!なあ!」

    「だからそう言ってんだろう」

    「だよな?違うよな…、ーーーーー!はあ!?」

    がたん!すごい音を立てて椅子から立ち上がると一瞬にして辺りの喧騒は静まり注目の的となったブロッケンJrは「わ、悪い」と盛り上がりを止めてしまった事に小さく頭を下げて椅子へ座り直した。 そしてバッファローマンに目を向けると信じられないとばかりに言葉を矢の如く浴びせる。

    「知らねぇよ聞いてねぇんだ!」

    ひそひそと声量は抑えているが熱量は込められている。ブロッケンJrの勢いに今度はバッファローマンが肩を竦め、手を上げる番だった。

    「言ってなかったか? 忘れちまってたかも知れねぇな。ラーメンマンと出来てる。」

    「そ、そんな事問題じゃあねぇんだお前、女だったのか!?」

    「おれをどこからどう見て女に見えるんだ、もしそう見えてるとしたらお前を何科に運べば良いんだ眼科か精神科か」

    「うるせぇ!どっちにも運ばんでいい!」

    「そんなに青筋立てるなよきちんと話す。えーと…どこから話しゃいいんだ…?そうだな…まずおれ達バッファロー一族なんだが…女の数が少なくてね…だからか絶滅までの間の繁栄の最中に男も孕める様になっちまったのさ。」

    「……り、理解が追い付かねぇぜ…」

    「ここで詰まってりゃ先に進まん。付いてこい、それでだな…おれ達の一族は強い雄しか認められねぇ。だからいつしか両雄の戦いで勝った者は敗れた相手に自分の方が優れた雄であるとマウンティングするようになった。お前は雌だ、とな。雌にされちまった雄は女と子を成す事も許されず、自分を打ち負かした雄の子を孕む事しか出来なかったモンでそれが一族の中で大問題になった。恨み辛みが祟って当然だ、いつしかそれが当たり前になっちまってガキにまで乗駕する阿呆まで出始めたんだからな。 その結果、一族の数が激減して風習を廃止したんだが…困った事に孕める様になった遺伝子は消えやしねぇ」

    「…」

    「焦った長はガキを集めて一斉に手術する事にした。…おれはそれが嫌で逃げ惑った」

    「は、孕みたかったのか…?」

    「んな訳ねぇだろう、単に手術が嫌だったんだ。痛いじゃねぇかそれに腹に大きな傷が付いてそれが雄の証だなんてそんなのは違うぜ、おれ達にはこの立派なロングホーンがある。それが雄の証だ。…ま、だからこそおれはあの一族の争いで生き残ったんだろうとも思う。」

    話し終え、くいっと酒を煽ったバッファローマンのジョッキを手で蓋をして「な!ならダメだ酒なんて飲んでんじゃねぇよ」と叱ったブロッケンJrのリモコンハットをずらして笑ったバッファローマンの指が額を弾いた。鈍い音とジン…とした痛みにブロッケンJrが咄嗟に額へ手をやるのを見て楽しそうに二口目を飲む。

    「女扱いするんじゃねぇよ」

    「し、してねぇぜ!」

    「いーやしてるね、おれが孕めると知って母胎になる可能性を考えたんだろう身を案じやがったな。…とにかくだ、そんなこんなでおれにゃ月一度危険日が来ちまうのさ。黙ってようかと思ったが…避妊だって100%安心じゃあない。数打ちゃ当たるで身ごもれば捨てられちまうかも知れねぇと考えた。それは困る…だからやむを得ず説明したんだそしたらゴムをつけて薬を飲めだとよ。説明していて良かったと思ったね。愛してるが…おれとの赤ん坊は要らねぇんだとよ、当たってりゃ捨てられてたぜ」

    「ラーメンマンはそんな男じゃねぇと思うがな…。」

    「おれもそうは思いたくねぇが…結果はそうさ。最初っからゴムは付けたがってたがおれのゴム嫌いに仕方がないと折れてくれた。だがこの話をしたらゴムと薬がねぇならセックスしないと言ったんだぜ…、正直…このゴムに穴でも開け続けて孕んでやろうかとも思い始めてるんだ、やべぇよな。」

    「流石にそりゃ…マズイだろう…。あまり思い詰めるなよろくでもねぇ。そんな阿呆な事して信頼関係を崩す前に直接聞いてみりゃ良いじゃねぇか。」

    「…自分の思いってのを素直にペラペラ語るタマだと思うかい」

    「思わねぇが、お前さんならそれを突き崩す事が出来ると思ってるぜ。」

    「買いかぶりどうも。…おれは意外と小心者でね、惚れたあの男に強く出られねぇと来たもんだ。だからこうして悩んでるんだよ」

    「…、あーっ!?…成程な!? 確かに小心者で挙句の果て卑怯な野郎だ!…バッファてめぇ俺に探って来いってそう言ってるんだろう!」

    「いいやおれは何にも言っちゃあいないぜ? 善意ってのを信じてるだけさ、勇猛果敢で熱血漢なブロッケンJrだ…こんな話を聞かされちゃあいても立っても居られず やい!ラーメンマン!責任を取れ!と怒鳴り込んでいくに違いねぇと考えたなんておれは一つも思っていない。そうなりゃおれは援護射撃だけでいいとも考えちゃあいないんだ。」

    にっこり笑うバッファローマンにブロッケンJrは畜生!と叫んだ。再び辺り一面の注目をかっさらったが関係ない。思惑通り彼の策に飲まれてしまっている。今心にあるのは どうして!という思いだけだ。ラーメンマンを糾弾してやりたくて仕方がない。若者の奔る正義感に漬け込む元悪魔め…!ブロッケンJrがギロっと睨むと「おーこわいこわい」等とおどけてみせるが目は細く光るまんまだ。先程までのバッファローマン像は壊して新しく建て直しせねばならないだろう。思っていた以上に悪い男だ。ぐうっと唇を噛むブロッケンJrに「そうでもしねぇと確かめたくってゴムに穴をあけちまうかも知れねぇな、もしそうなっちまえば自業自得とはいえ可哀想なガキが産まれちまうよ…母子共に凍えるだろうぜ」と囁くと同時にブロッケンJrは走り出していた。 勿論行く先は中国だ。見えなくなった背中にひらひらと手を振るバッファローマンはくつくつと喉を鳴らしていた。

    「楽しみの前払いで会計はおれが持つとして、だ。 ラーメンマンが思い全てを話す訳がねぇ…その代わりおれに怒りをぶつけるだろうさ…。たっく我慢しろ我慢しろそればかりで飽き飽きしてたんだ、ようやく熱いセックスが出来そうだな…」

    そう、バッファローマンの企みはブロッケンJrに詰め寄られたラーメンマンはきっと「違う!」と吼えるだろう。愛しいからこその判断なのだと。そしてどうしてそれが分からんのだとバッファローマンの所までラーメンマンが来ると踏んでいる。きっとその際そこまで言うなら孕めわからず屋と愛憎に満ちた顔で迫り来るだろう、中々に性格の悪い計画を立てたが仕方がない。だって強情な男を相手にしているのだから。ラーメンマンが何故自分にゴムと薬を求めるか等理解もしている。だがそれでもその理性の壁を取っ払い骨の髄まで求められたい。壊れるくらい愛して欲しいのだ。


    「さあてあんたの意地とおれの策謀どちらが勝つかねえ? …ま、どちらでもいいさどっちに転んだっておれにゃあ得しかねぇんだ…今は待つだけでいい。」



    実りの季節


    END
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤❤💕💕💕👏😭💖💖👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏💒💒💒😭🙏🙏🙏💖💖💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator