【ルカヒョナ】one and only「誕生日おめでと!ルカ!」
ぱらぱら、視界を遮るように舞う赤い花弁。支配の象徴である青からルカを守るようにヒョナの影が頭上に降りる。常より数段弾んで少しばかり高く響くヒョナの声に導かれるように首を上に向けた。
目が合った途端ヒョナの元々細められていた目がより力を込めてぎゅう、と弧を描く。得意げに横に広がったヒョナの口から言葉が紡がれていくのを見ていた。
「へへ、びっくりしたでしょ!」
「…別に」
「びっくりしたくせに」
「してない、……ほら」
隣に座ったヒョナの手を掴んで心臓に当てた。いつも通りの心拍数、統一された速度。ヒョナはえ〜?と不満そうな声を出して反対の手で自分の心臓に手を当てている。どうやら二人の歩む鼓動の速さは変わらなかったらしくつまらなさそうな声でちぇ、とヒョナがぶすくれた。
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