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    しどめ

    @mimizuku136

    お気軽にネタなどもろもろをあげます。噛めば根暗の味がするし、節操もないです。ネタは多分年末あたりまでに完成させてピクシブ君にあげます。お芋弓兵が受けです。

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    オシュロルです。これは一年ぐらい前に書いたやつの続編のようなものです。

    プレイボーイバニーとその顛末2「そうだ、オーダーメイドにしよう」
    急に投げかけられた言葉に、メロンを手に取ったロルフが視線をなげた。
    「何を?」
    「お前はさっきの店で何見てたんだ。服屋に行ったあとオーダーメイドって言ったんだぞ。そのままのことじゃないか」
    ロルフは視線を持ち上げ、やはり合点が効かない顔をした。納得のいってない様子のロルフに、名案だと言いたげだったオーシュは不服そうに膨れる。
    「バニースーツを職人に作らせるって言ってるんだよ」

     バニースーツを着てきてからある日、オーシュはロルフを連れて、看板のかかっていない一軒の家の扉を開けた。
     蝋燭の炎がチラチラと燃える中、そこにあったのは日常では着ない服が売られている店だった。
    「ここは?」と問えば、二マリと少し悪い顔をした。
    「お前が前買ってきたバニースーツ買ってきた店と同じようなタイプの店だよ」
    トントンと、二人分の足音が響く。女性用の給仕のような服。猫やウサギのような動物を模したカチューシャ。オーシュは、ジロジロとそれらを眺め、のんびりと手触りに触れたりする。「お前が着るのか」と問えば、何を言ってるんだとオーシュはジロリと見た。そして、いつか着た覚えのある。なんなら、今も荷箱の中に捨てきれずに荷箱に仕舞い込まれている衣装の前に来て、種類の多さとは別に浮き上がってきた問題にオーシュはそれこそ、深いため息をついたのだった。

    「流石にみんな女性サイズだったろ。お前にきれそうなやつないのかって聞いたら、ないっていうし、」
    真昼間の喫茶店でこんな話をするようなものではないだろうに、オーシュは特段気にした様子もなくそんなことを口にする
    今日は付き合ってくれたから奢ってやるよとロルフに聞かずに注文のつけたフルーツが盛られたパフェをモリモリと食べていた手をとめ、ロルフはいや、と昔のことを思い出すように少し首を傾げた。
    「俺が入ったところも似たようなものだった。確かに男物の変な服もあったが、「バニースーツと呼ばれる服で着れるのはこれだけだ」と押し付けられたのが、この前来たやつだな」
    俺は、身長が高いから。とロルフはアイスをつつき満足そうに舌鼓を打った。オーシュが食えばそれだけで一食になりそうなほどの甘味は男は諸共せずに食べていた。
    「そこで、オーダーメイドだよ。お前のサイズで服を作って仕舞えば、あの服屋のような服が着れるってことになる。服の色だって赤かろうが青かろうが別にいいし、黒いシックなものだけじゃなくて、細かい刺繍だってつけれる。別にハイレグじゃなくてもいい」
    「俺は、変なデザインじゃなくていい。それに、そもそも俺が買った一着目がまだ着れるんだからいいじゃないか」
    「あれだってお前がちょっとずつ太くなってきたから、この前着た時肉が食い込んでじゃないか。着られる服の気持ちにもなってみろ」
    「あれは、一回しか着ないと思って」
    そういって、ロルフは目を伏せる。確かにあの時、ロルフはオーシュが喜ぶかと思って、スーツを着てみせた。だが、二度三度と着せられて今回ときた。瓢箪から駒じゃないが、取り返しの効かないことになってるような気がする。
    それはそれとして、夏限定。トロピカルパフェは美味しい。フルーツソースと生クリームと、フルーツの甘味が絡み合って美味しい。
    「それで、色は何がいい。肌の色に合わせるなら白というのも十分にあると思うんだけど」
    「一応聞くが、それは俺が着ることを前提にしているんだよな」
    「当たり前だろ。まさか、僕に着ろっていってんの?僕はそんなに趣味は悪くないよ」
    「俺も違うが」
    「自分から着てきた男がよくいうよ。それで、木地はどうする。さっきの店の中にあったみたいなスパンコールで作られたやつにする?」
    「スパ、なんだって…?」
    「お前も店の中で見ただろ、光があったたらやたらキラキラ光ってた服。魚の鱗みたいだといっていたじゃないか」
    「ああ、あのじゃらじゃらした…」
    「ああいうのとか、フリルとかの装飾がつけれてたのとか、あとは柄物とか。色々種類があったな。足は、前みたいにあみタイツにするか、腿までの白ストッキングでもいい。どうするかな。バニーコートっていうのもあるらしいんだけど」
    「詳しいな…」
    あとあれこれと決めているオーシュは楽しそうに見えた。
    「僕が詳しいんじゃなくて、お前がものを知らないだけだよ。まあいいや、で?お前はどんなのが良い?」
    なぜか気乗りしているのかよくわからないまま、ロルフは再度「それは俺が着るんだよな」とは言わなかった。ただ、「派手じゃない方がいい」とだけ注文をつけると、オーシュはオーシュで勝手に納得してるようだった。
    「まあ、今回は1回目だからな。試作というのも込めてシンプルなやつを作ってみるか。装飾はどうするかな。襟は大きめにして、服に合わせればいいか、ピンヒールが履けるなら、なんだって履けるもんな」
    「まあ、」
    文字通り練習した甲斐あって、歩いたり多少走ったりすることはできる程度には動けるようになったことも相まって、なんだって履けるようになった。まさか、ここまで世話になるとは思わなかった身としては少しばかり複雑だ。
    「カフスなんかも、オーダーメイドでするなら、好きなものなら物をつけれるのかな。青系の宝石があるならそれつけたいんだけど」
    「待て。わざわざバニースーツの装飾のためだけに高価な宝石をつけるのか?」
    「なんだよ、何が悪いんだ。僕の金なんだから、何作らせようと勝手だろ」
    オーシュはムッとしたように、反論する。
    「俺が着ても似合わないと思うんだが…」
    「似合うわけないだろ。前のだって似合ってなかったし」
    あまりに堂々とした言い分に、結局ロルフは「好きにしてくれ」とだけいった。目の前の友人は多分疲れているだけなのだ。少し休憩でもすればきっとすぐに飽きるだろう、そんな期待を一つしてロルフはほったらかしにしていたパフェを食べるに任せた。
    まさか、休憩後、オーダーメイドのできる店まで直行していくとはさしものロルフも分かろうはずもなかった。
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