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    Y(わい)

    ワンクッション欲しいタイプの夢創作をポイっとする

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    Y(わい)

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    あまりにも手を出してこない男主に痺れを切らしたにのみや

    ##wt
    ##二宮
    ##男主攻

    男主×にのみや 誘い受け夢小説「お前、性欲が無いのか?」

     真面目な顔で二宮に質問され、思わず咽せた。どうやら冗談ではないようで、咽せた俺に「何やってんだ?」という顔をしたままジッと見つめてくる。質問の意図が分からなかったが、嘘を言ってもしょうがないので大人しく答えた。

    「いや、人並みにあるけど……」
    「本当か?」
    「えぇ?おれそんな無欲に見えるか?無かったらおれ、おまえにキスもしねぇだろ」

     そう言うと二宮は黙っておれを見つめながら何か考えている様子だった。おれは何かしてしまったのだろうか。おれもまた二宮を見つめ返すと、二宮は何となく居心地悪そうに視線を動かしながら、さっきよりも小さい声で言った。

    「……じゃあお前の性欲は、俺に向いてんのか」
    「え、あぁ。……まあ、そうなるか」
    「何だその曖昧な返事は?ハッキリしろ」
    「えっ!はい!おれは二宮のこと好きなのでめっちゃキスしたいです!」

     二宮の言う通りにハッキリと返事をしたというのに、二宮はそんなおれを見て深い深い溜息を吐いた。そんな溜息吐かなくてもいいだろ……と言いかけるとそれを遮るように二宮は眉を顰めて言った。

    「……だけなのか」
    「?今なんて」
    「……キスだけなのか、って聞いている!」

     普段から低い声なのに、さらに低い声で言うものだから一瞬脅されたのかと思った。が、内容をよくよく考えてみるとそれはまるでキス以上のことをするつもりはないのか?というもので、おれは雷に打たれたような衝撃を受けた。

     そうか、おれたちは付き合っている。好き合っているのだ。だからハグもするしキスもする。そしてそれ以上のこともしていいのだ。

    「……えっ!?していいのそれ以上のこと!?」
    「ば……っ。声がでけぇっ」
    「ご、ごめん……。いやそのびっくりしたって言うかなんて言うか……」

     おれの態度に二宮はどことなく気まずそうな表情をさせた。まるで自分だけが期待していたのか、とでも言いたげな表情でおれは慌てて弁解した。

    「いや、あのな……男同士で付き合うのって初めてだからさ……ソレはちょっとすっぽ抜けてたんだけど……」
    「……そうか。いや、そうだな……それが普通……」
    「でもそういうことしてもいいんだって思ったら今めちゃくちゃムラムラしてきたんだけど、いいの?して」
    「!?」

     つい前のめりになって二宮にそう迫ると、二宮は珍しくびっくりした顔で固まったままおれの顔を見つめている。可愛い、すごく可愛い顔してる。そうだよな、二宮って可愛いところもあるんだよ。そういうところも好きで……うわぁ、嘘みたいに身体が熱くなってきた。自覚した途端にこれなんて、あまりにも単純過ぎるだろ。

    「ま、待て……何を急にそんな、落ち着け」
    「落ち着けるかよ……なあ、二宮はおれとそういうことしたいって思ってくれてたの?」
    「別に、俺は……!」
    「違うの?ダメなのか?」

     ソファに座っていた二宮を逃さないように背もたれに手をついて二宮に覆い被さるように跨ると、二宮は動揺したようで僅かに耳を赤くさせていた。

    「……お前、俺を抱きたいのか?」
    「えっ、ダメ?それとも二宮おれのこと抱きたかった!?」
    「知らねえ!どっちがいいのかなんてわかんねえだろ!」

     おれは正直二宮に抱かれる想像をまったくしなかったから、二宮にはどっちの可能性もあるんだ、という事実だけで興奮してくるのだが。おれの劣情をわかってるのか否か、二宮は今置かれている状況をようやく理解して徐々に頬を染め始めた。

    「……やめろその目。急に理性無くしやがって」
    「おれそんな目してる?……でもさ、二宮が言い出したんじゃん。おれをその気にさせたのは二宮だよ」
    「俺のせいにするな」
    「おまえのせいだよ。言ったじゃんおれ、おまえのこと好きだからキスしたいって。……性欲向ける相手も、おまえだって」

     二宮に顔を近づけても、二宮は抵抗しなかった。負けた気になるのか、おれと至近距離でも目線を外さずに睨み続けている。そんな二宮が可愛くておれは触れるだけのキスをすると、二宮はビクッと肩を揺らした。唇を離して二宮の顔を見ると、二宮はさっきよりも赤くさせてどこか不満気にまたおれを睨みつけてくる。
     それに応えるようにもう一度キスをして、ゆっくり唇を舐めると二宮は小さく口を開けた。それを合図に二宮の口の中に舌を滑り込ませて二宮の舌を見つけて絡み取ると、二宮は喉の奥で声を漏らしておれの服を掴んだ。
     しばらくそうやって舌を絡ませ合って、口の中がぐちゃぐちゃになってから唇を離すと、二宮の瞳がいつもより緩んでいた。

     こんなにキスしたのは初めてだったかもしれない。二宮のこんな表情を見るのも初めてだ。おれは今までこんな可愛い二宮を見逃していたのか。おれは今まで二宮に我慢させてたのか。

    「ごめん二宮、おれ鈍いからさ……お前よりも気付くのがすげぇ遅くて困らせてたよな」
    「……別にそれはいい。確かにお前は鈍感だしイライラする時もあるが……最後はちゃんと気付くだろ」
    「二宮、おれに優しいねほんと。……そういうとこも好きだ」

     もう一度キスをすると、二宮はそれを待っていたかのように俺の背中に手を回してきた。二宮の動作一つひとつが可愛いし愛しいしもうどうしようもない。とてもじゃないけど、こんなとこで我慢しろなんて、絶対にできない。

    「……今は確かに、どっちがいいとかはわかんねぇけどさ。でも少しだけでも……もっとして、いい?」

     そう強請ると、息苦しさで涙を滲ませながら二宮は少し悔しそうな顔でコクリと頷いた。
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