可愛い可愛い私の「うーん」
「……人の顔をじっと見て、どうかしたのか」
「いや? 丹恒って可愛いなぁって思ってただけ」
「……」
私の言葉に興味をなくしたのか、読みかけの本に視線を戻す丹恒。
彼に出会ってから――というか私が私だと認識してからの日々は丹恒となの……星穹列車のみんなで溢れている。
なのは最初から親しみやすかったのもあり、同性ということもあってか、すぐに打ち解けられた。
丹恒は……といえば、最初はお堅く、他人に興味なんてないのかと思いきや、そんなことは全くなく、私やなのの世話を焼いてくれるお兄ちゃん的存在へと変わっていった。
そう、多分……お兄ちゃん的存在だった。もしくは弟。
なのに、いつの間にか私は丹恒のことを好きになっていたし、丹恒も私を好きになっていた。いわゆる両想いというやつだ。
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