月島 「見てるから、見てて」
月島くんのことを自分ばっかり見てて目が合わない、辛いって一回離れた彼女さん。
その日から、月島くんの方が彼女さんのことを目で追うようになって、敢えて月島くんを見ないようにしていた彼女さんとは当然目が合わないしどれだけそれが辛いことか身を持って知ることになる。
普通に声をかけてもうまいこと躱されるのはわかっているから、彼女さんが目の前を通った時に手首をつかんで二人になれるところに連れて行く。
「…何か用」
「ごめん、…だからそんな冷たい声で僕のこと拒絶しないで…」って弱々しい声で言う。
今まで月島くんのそんな声を聞いたことない彼女さんは勿論驚いてしまうし、「なんでそんな話し方するの」って訊くと「知らなかった僕末っ子だよ。…だから、君にも多分甘えてたんだと思う。視線が合わないのがこんなにも辛いなんて思わなかった。」
「今日はよくしゃべるね、」
「僕は、君を取り戻すためなら何でもする。僕も、君のこと見てるから、君も僕を見て。」
そう言ってから、あちこちに口づけを落とすし、彼女さんの反応を見て「良い」って確認してから唇にも口づける。
菅原「こらこら、〇〇に絡むんじゃない」
菅原くんは嫉妬とかしないんだね、お互いにクラスの中心になることもある菅原カップルですが、2人の時間をゆっくり過ごすこともできないくらいお互いの友達の輪にいる。本当は2人でお話したいのに、これじゃ別に付き合ってる意味無くないって理由で一度離れてしまった菅原くんと彼女さん。
その日から、2人が別れた話は静かに出回るけど、菅原くんが変わる。
彼女さんに男子が絡み始めると、「あー、ダメダメ。そこ通してー。」とか「こらこら絡みすぎ。」とか警備員さん並みに警備始める。
「菅原警備員」なんてあだ名が出始めるほど。
「〇〇、帰ろ。」
なんて、見せつけるように二人で帰りたがるし、帰り道、「俺多分絡まれてる〇〇のこと見ないようにしてたんだと思う。ほんとはすっごいヤキモチ焼きなんだけど、一緒にいてくれねーべか」なんてほおをポリポリ。
黒尾「はーい、そこ開けてね。俺の場所だから」
黒尾は、みんなのいるとこでは私のこと避けるよね、って言う彼女ちゃん。ほんとは彼女がいることをいじられるのが恥ずかしくて、だったんだけどそれが避けるという行動で彼女ちゃんを傷つけてたと知り反省する。
その日から、男子が彼女ちゃん囲んでたら男子のほっぺたをぐいって押し分けて彼女ちゃんの隣をキープする。
「なんだよ、黒尾。」って男子たちが不満を口にする中、「あれ、言ってなかったっけここ、俺の場所だから。〇〇に用があるときは俺のこと通してくんない」って笑みを浮かべつつ冷たい目線を男子たちに向ける。
「は、いつから。」
「さあ、いつからでしょー。」
なんて言葉をかわして囲んでいた男子たちがいなくなると、「ごめんねぇ、かっこ悪くて。」ってへにゃへにゃしゃがみ込んじゃう黒尾くん。でも、お前の隣に、並んで立つ資格を俺にくださいってきちんと伝える。
研磨「…約束、でしょ。」
バレーボールは仕方ない、でも黒尾先輩の事ばっかり優先させるのは違うくないという不満から一度離れた研磨くんカップル。
クラスにも、2人が付き合ってるなんて知ってるのはごく一部しかいない意図しないひっそりカップル。でも、彼女ちゃんの方はクラスで友達も多い。下校時間になると、一緒に帰ろうと声をかけられる彼女ちゃん。それを見て咄嗟に「待って」って大きな声が出ちゃうし、「ごめん、今日〇〇俺と帰る、から…」ってしりすぼみな感じだけど宣言する研磨くん。
「え、」って戸惑う彼女ちゃんと「約束、でしょ。」って手を引く研磨くん。
背後では、孤爪頑張ったって拍手が起きてるし、「もーうるさいっ、静かにして。」って照れながらも反論する研磨くん。ただ彼女ちゃんの手は絶対離さないと言わんばかりに掴んでるし、それが可笑しくて、嬉しくて「一緒に帰る約束なんてしたっけ。」ってわざと言う彼女ちゃん。
「……したよ、俺が甘えてクロばっか優先させてたけど、付き合った日"部活のない日は一緒に帰る"って約束した。」
「……覚えてたの」
「覚えてるよ。」
「じゃあ、これからは毎日ね。」
「努力する。」
くすっと笑う研磨くんの顔にキュンとしてしまう彼女ちゃんでした。