日向「桜に攫われるとか月島が言うから確かめに来た」
そう言って廊下側の窓からひょこっと顔を出す日向くん。
「私、攫われそう」
「わかんないけど、攫われたら嫌だから見に来た。」って真剣な顔つきで言われて、〇〇ちゃんの傍に貼り付く日向くん。
「もう授業始まるよ」って言っても「大丈夫あと、2分したら行く」って真剣な顔のまま言うけど、「部活の時間始まるよ。」ってなると、「うーーーーん゙ーーーーっうぉおおおおっ」って葛藤の末「絶対一人で帰っちゃだめだからな」って言って部活の方に行く。
次の日、「なー、〇〇手出して。」って言って手を出させた後手の甲に"日向翔陽"って書いてくる。
「なにこれ、サイン」って訊くと、「昨日影山と話してたら、影山が誰かのものだって名前が書かれてたらさすがに連れ去らないんじゃないかって。だから、」〇〇は、俺の大事な彼女だから名前書いといたってにぱって笑う高2日向くんが見たいです。
月島「大丈夫、僕も君も攫われない」
月島くんって、本当に桜に攫われそうな気配あるよね、って並んで歩く彼女ちゃんに言われてちょっとムッとする。
「ていうか、僕みたいな大柄の男桜も要らないでしょ。」
「えー、背の高さじゃないでしょ。月島くんなんていうかはかなげ美人みたいなとこあるし、細いし。綺麗だし。」
指を折りながら、そう言う彼女ちゃん月島くんがムッとしているのには気づいてないしなんならちょっと得意げに、ほら桜に気に入られそうなところ3つもあるよなんて笑顔を向けてくる。
「…あのさ、それ全然嬉しくないからね。」
「え」
「僕はかなげでも何でもないし、」
ドンッと近くにあった木に彼女ちゃんを押さえつける月島くんと、なんで怒ってるのか未だに分からず怖くてうっすら目に涙を浮かべてる彼女ちゃん。
「力だって多分普通に男並みにあるし。」
「ご、めんなさい。」
「…だから、僕は攫われないし万が一君が攫われかけても全力で阻止するから攫わせない。分かった」
「…はい。」
自分がちゃんと男だって言うことをしっかり伝える月島くんとしばらくドキドキが止まらない彼女ちゃん。