二人なら大丈夫!(パロディ)■半間編 最終軸
『……半間……、半間……』
キィ、と音を立てて、開かずの詰所扉が僅かに開く。半間が扉に目を向けた時、扉の先に広がる暗闇から聞こえてきたのは、か細い声で半間の名を呼ぶ、稀咲の声だった。
稀咲から頼まれた敵勢力への情報工作を終え、普段使うことがない路線を乗り継ぎ、東京卍會の集会場へ向かおうとしていた半間は、乗り換え移動のために歩いていた連絡通路が、同じ景色を繰り返している事に気が付いた。
リノリウムの床に白いタイル状の壁が敷かれた、ひどく無機質な連絡通路。その一角の壁には大きな黄色い看板が掛かり、黒文字で数字が書かれていて、そしてその左に掛った小さな案内板には、この現象のルールが丁寧に提示されていた。
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