「ま、待て、な?」
「待たない」
ガタガタともつれ合うように寝室に追い込まれ、最後は軽々抱えられてベッドへ降ろされる。
突き飛ばされないだけ紳士的だが、それよりも。
「お前、んっ、まだ昼なのに」
レースカーテンに透ける陽気は白く明るく、こんなことをするには早すぎる。
お互いの仕事がたまたま午前中で終わり、午後から休暇に入ったからと言っていささか性急すぎやしないか。
シャワーは事務所で借りたし、まぁ、その……夜に向けての支度じゃあないが、後ろの準備は済ませてある。
とは、いえ、だ。
「あ、こら、見えるとこに…!」
耳の後ろをやや強く吸われて叱る。
絶対見える位置だ。どうにかして隠さないと、女性陣の良いおもちゃにされてしまう。
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