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    敵の術中にはまったヘレナが小役人を独占する話

    小役人君は僕のもの小役人はヘレナ、クロード、マクシムス、カンタレラに同行してある遺跡の調査に向かった

    問題の遺跡は、元は何もない荒野に忽然と現れた物で、遺跡の年代的にはかなり古いもののようだが
    以前からあったわけではなく、旅人がふと顔を上げるとそこに厳かに建っていたようである

    まるで遥か昔から存在していたかのように存在する遺跡はエネミーの住処となっており、夜な夜なエネミーが出没すると近隣の村を襲った

    夜が明けるとエネミーは霧のように霧散して消えるという

    だが幻でも死んだわけでもなく、夜になれば必ずエネミーは出現し森を破壊し動物を殺し村に現れあらゆるものを壊した

    既に村が一つ滅ぼされていた

    評議会にこの話が伝わるのがかなり後手に回ってしまったのには訳があり、
    被害に遭った住民達自体が、エネミーの仕業であると判断できなかったためであった

    白昼夢のような、
    不思議な感覚に囚われるといい夢か現実か区別がつかない
    中にはエネミーに羊を食われたと言う者の家に向かうと別に他の人間が調べても一匹も減っておらず、夢でも見たのではないかと皆で嘲笑っていた

    被害者は尚も訴え続けたが気狂い認定をされてしまい心を病んで自ら命を絶ってしまった


    だがその被害者が死んだ後になって羊を引き取りに来た者が羊小屋に足を踏み入れると一匹足りとも羊はおらず、どこを見て回っても羊はなく、ただ破壊された家と無残に荒らされた牧場が残されているだけだった

    夜な夜なエネミーが出てきて村を襲っている
    いや、エネミーなんてでてない。どうしてそんなでたらめを言うんだ?等の認識の違いが増えていき


    唯一の生存者である青年が言うには自分はずっと村が平和だと思っていたが、
    周囲の人はエネミーに襲撃されていると訴え妙に思っていた


    しかしある日ふと気付くと村は壊滅させられていて青年も後少しで殺されるところだったという

    命からがら逃げ出して評議会に助けを求めた


    当然脈略の無い話だから調査に向かうことになり、
    まず評議会の者が何人か向かったが一人として帰ってこなかった


    壊滅した村の周辺にある近隣の村でも同じ事が起こっているとようやく突き止め
    王が討伐に向かった


    「なんだか頭が痛くなってきたわ」


    カンタレラは頬に手を当て不思議そうに


    「つまり幻覚を見せるエネミーが出没しているということね。かかってる人とかかってない人がいるから、
    幻覚を見るのは個人差があるのかしら。わざとなら意地悪なエネミーね」

    「エネミーに意地悪も何もないと思うが、確かに悪趣味のしか言いようがない。少々骨が折れそうだ。」


    マクシムスが同意した

    焚き火を囲んで一同は今回の討伐について話し合った

    幻覚を見せるエネミーは今までもいたが、ここまで複雑な惑わしをするエネミーはいなかった

    人間でいうところの性格があるなら随分とひねている

    それとも幻覚にかかる者になにか条件があるのか

    「考えても仕方あるまい。要はエネミーを殲滅するだけだ。下らん詮索は無意味だな」

    クロードはそう言うが対策なしで向かうのは前例から見て王達でも苦戦、最悪死に至るかもしれないほど危険な討伐ではないかと小役人は思った

    現に調査に向かった評議会の人間は帰ってきていない

    間違いなく死んでいるだろう

    いくら途方もない話とはいえただの人間である彼等を行かせたのは間違いだったと



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